【高橋雅裕 連載コラム】開幕二軍の内川が現役にこだわるなら…

2020年07月29日 11時00分

内川がソフトバンクに移籍して10年。チーム内でも厳しい立場に…

【高橋雅裕「道なき道の歩き方」(13)】内川聖一(現ソフトバンク)の宮崎・日向での自主トレは3年前から手伝ってます。昨年も3年連続で日本一になり、37歳にしてゴールデン・グラブ賞も取った。この先の彼は…。おそらくこの1~2年が勝負だと思いますよ。現役をやめるとかいうところまで差し掛かってきている。ソフトバンクでできるならそれでいいけど、栗原陵矢も出てきているし、他球団を視野に入れてもいいと思う。でもここでレギュラーを張るなら結果を出すしかない。日本のナンバーワン右打者の実績は誰もが認めても現状としてその数字が出ているのかとなると、違う。

 首脳陣もあいつに気を使いすぎる必要はなくても、これまでの活躍を考えたら多少の配慮はあってもいいのかな、とも思います。いい選手だって晩年は代打になったりするし、そこを受け入れられるかどうか。プライドの問題もあるだろうけど、僕は受け入れたうえでやった方がいいと思う。年俸だって若いやつと比較したところで自分のころとは時代が違うんだから。あいつ次第じゃないですかね。前向きになればあと3年はいけると思う。

 それに打撃技術を教える側になってほしいと思いますよ。これからは将来のことまで考えてやるべき。2000安打打って、名球会入ってこれから何を目標にするのか、となると記録じゃないでしょ。一年一年が勝負。安打数ではイチローを抜けないし、右打者の生涯打率にこだわるなら打数が少なくてヒット1本打てば打率は上がる。あいつ自身のここまでの実績を汚すことなく終わるのが僕は理想だと思ってます。出番の数より必要性ですよ。よーいドンではまだ負けないって思う気持ちは理解してあげればいい。それはわかっているけど、これからのホークスを考えたらいつまでも内川、松田(宣浩)じゃない。

 今季の内川は移籍後、初めて開幕二軍スタートになりました。野球選手は出てナンボなんで、現役にこだわるなら他でやりたいっていうのもあるでしょう。鳥谷敬(ロッテ)もそうだし、それは当たり前だと思いますよ。焦っちゃいけない。僕が気づいたことは言ってあげたい。自主トレでは悪くなかったんだけど、打ち方を変えて実戦で投手と当たって通用するかどうか…。見ていてもバットが全然出てこない。レギュラーの保証がない中で気持ちの余裕がないでしょう。何かあったらいつでもケアしてあげたいとは思っていますよ。

 内川が移籍して10年、僕の古巣の横浜は近年はアレックス・ラミレス監督になってからCSにからむようになった。経営母体が変わってお金を出すようにもなりましたね(笑い)。僕はというと、2008年限りで走塁コーチをやめ、11年に地元の先輩の平野謙さんに誘われて韓国・起亜、16年からはBCリーグ・群馬でコーチをやったんです。

 ☆たかはし・まさひろ 1964年7月10日、愛知県豊明市出身。名古屋電気(愛工大名電)で1981年夏の甲子園大会に出場。82年のドラフト会議で横浜大洋に4位指名され、入団。内野手として88年に全試合に出場。88年から89年にかけて遊撃手の連続無失策(390連続守備機会)を記録した。96年オフにロッテに移籍し、99年に引退。2000年からロッテ、楽天、横浜で守備、走塁コーチを歴任した。11年には韓国・起亜、16年から4年間はBCリーグ・群馬でも指導した。現在は解説者や少年野球の指導にも当たっている。