セ・リーグ最下位に沈む中日で「ホームランテラス待望論」が再燃している。OBや地元放送関係者の間から「今のナゴヤドームのままでは野手のスターは生まれない」と早期導入を求める声が噴出しているのだ。

 きっかけは22、23日のホームでの巨人戦でドラフト1位新人・石川昂内野手(19)が2試合連続でフェンス直撃打を放ったこと。石川昂は22日は澤村から左翼へ、23日にはメルセデスから中堅左に鋭い打球を放ったが、記録はそれぞれ単打と二塁打。「よその球場なら2本ともスタンドインだよ」(中日OB)、「高卒新人が巨人戦で2試合連続本塁打となればすごいこと。あれが入っていれば、ものすごく盛り上がっていたんですが…」(在名テレビ局関係者)とネット裏は広いドームへの恨み節であふれた。ファンも球団も熱望する“スター誕生”のチャンスがナゴヤドームの高い壁に阻まれた格好で「ホームランテラスを早くつくった方がいい」となったわけだ。

 中日のチーム本塁打数は18本で両リーグワースト(1位は巨人の46本)。今季、ナゴヤドームで行われた21試合で本塁打を放った日本人野手は平田、京田、福田の3人だけ(各1本)だ。ホームランテラス導入となれば相手打線に本塁打を許すケースが増えることも予想されるが、ソフトバンク・柳田や巨人・岡本のように一発でファンを魅了する日本人野手が出てくれば中日にとって大きな財産となるはずだ。

 もっとも新型コロナ禍の影響で今年のナゴヤドームの収入は激減することが確実視されている。中日内部にもホームランテラス導入に前向きな声は出ているが、果たして実現するだろうか…。