巨人の背番号は誰のものか 田中豊が「19」なら「7」と「10」そして「55」の行方は…

2020年07月27日 20時52分

巨人の「19」と言えば上原氏(写真)と菅野を抜きに語れない

 巨人の決断には驚いた。26日、育成から支配下登録された田中豊樹投手(26)に、あの上原、菅野が背負った〝エース番号〟「19」を手渡したからだ。
 
 田中豊は佐賀商―日本文理大を経て、15年のドラフト5位で日本ハム入り。昨季は一軍で19試合に登板したが、オフに戦力外通告を受け、現役続行を望んで巨人と育成契約を結んでいた。

 同日のヤクルト戦で早速一軍デビューを果たした右腕は、5点リードの9回に登板して無失点。試合後、原監督は「19」付与の経緯について「宮本投手コーチと話をして『もう苦労人だよ、いい番号をあげてくれ』ということで。期待に応えてくれることを願っています」と明かした。

 少なくない巨人関係者にとって、近年の「19」は伝統のエース番号「18」と同等か、それ以上に特別な投手番号であった。平成巨人を代表するエース、上原浩治氏(現評論家)の代名詞の番号だったからである。

 当の上原氏は田中豊に重圧をかけないためか、自身のツイッター上で「ちょっと汚した背番号19を綺麗にして下さい!!頑張って」とあえて自虐的なエールを贈った。ただファンは同氏が巨人を離れてメジャーに渡った後もこだわって「19」を背負っていたことを知っている。

 もう一人は菅野の番号でもあったということ。現エースが杉内(現二軍投手コーチ)から「18」を引き継ぐまで背負っていた番号であり、右腕が「19」に強烈な自負とこだわりを持っていたことは球団内で有名な話だ。入団当時は空き番だった「19」を選択した菅野は、かつて「自分のなかで巨人の19番は上原さん。いつかは19番といったら菅野と思われるように頑張りたい」と語っていた。

 そんな特別な番号を、育成出身でまだ実績十分とは言えない田中豊に与えたのはどういった意図からなのか。指揮官の「苦労人」という言葉だけでは消化できない。昨年限りで退団した投手のクックに高橋由伸前監督の「24」を与えた際と似た、少々複雑な感覚を覚えてしまうが…。

 今回、球団が田中豊に用意できた空き番号は「7」「10」「11」「19」「55」「68」「98」。その中から大方の予想を裏切って「19」を与えたのは、「もはや巨人の背番号に聖域なし」といった原監督のメッセージなのか。

 となれば今後注目されるのは「7」と「10」さらには「55」の行方。今の巨人では、近い将来誰が背負っていても不思議じゃない。