ソフトバンクの千賀滉大投手が27日、エースの「矜持(きょうじ)」を胸にチームに白星をもたらす快投を続けていくことを誓った。「見てもらっても分かるくらい良くない状態ですけど、その中で自分のやるべきことである先発の役割を果たしていきたい。チームを勝たせる投球をしたい」と力を込めた。

 今季は右前腕部の張りなどで開幕に出遅れ、7日の楽天戦(ペイペイ)から一軍復帰した。ただ、決して本調子とは言えない。圧倒的な直球の球速は出てはいるが、制球に苦しむなど走者を背負いながらの登板が続いている。伝家の宝刀フォークの精度もいまひとつだ。千賀自身も「ここまでは全くいいところがない」と本音を口にする。

 もちろん、思うような投球ができないことに対する葛藤はある。高い理想を持つ右腕だけになおさらだ。それでもエースとして、試合をつくりチームを勝たせる投球に専念していく。その上で右肩上がりに投球を良くしていき、最終的には〝完全体〟を目指す青写真だ。

「投げながらうまく合わせていけるようにと思っている。難しいけどやらないといけない立場と理解している。いいものをもっと出せるようにと、毎週、濃い1週間を過ごせている」と自信を見せた。

 28日は強力打線の西武とペイペイドームで対戦する。登板に向けては「一気に大量点があるチーム。そこは投手陣で防げるように頑張っていきたい。中軸の前に走者をためないこと。中軸と1対1で勝負できるような環境を作りながら戦うことが必要だと思う」。できる限り山川ら強打者との〝タイマン勝負〟に持ち込み最少失点に防ぐことを掲げた。

 ここまでの成績は2勝1敗、防御率3・57。エースとして、最善を尽くしてチームを勝利に導いていく。