NPBと12球団の臨時代表者会議が27日に行われた。同日午前中に実施されたJリーグと合同の「第12回新型コロナウイルス対策連絡会議」の内容について各球団が確認し合った。

 会議終了後の会見に出席した斉藤惇コミッショナーはJリーグ・名古屋グランパスから複数の感染者が出たことを踏まえた上で「今後いくつか検討していかなければいけない課題が午前中の会議の中でも出てきていた。いろいろ地方の保健所と自治体との関係、そこで意見が分かれたりしていると我々としても非常に混乱してしまう。各12球団に対して、しっかり当事者とも話をしながら意見が2つ出るようなことがないように日ごろから連絡をお願いしたいと話した」と述べた。

 現在、NPBと12球団では選手や監督、コーチ、スタッフら球団関係者全員と審判を対象に1か月1回のペースでPCR検査が行われている。2週間に1回の定期検査を義務付けるサッカー・Jリーグよりも頻度は少ない形だが、現状においてNPB側は「野球は接触という点ではサッカーとかなり違う。当面は1か月に1度のペースでやっていきたい」(斉藤コミッショナー)という考えを崩していない。

 加えて名古屋グランパスでは1人目の感染者が出た際に地元保健所の調査で濃厚接触者はいないと判断されたものの、自主的に全選手・スタッフへ緊急のPCR検査を行い、新たに2人の感染が判明した実例も生じている。

 会見では「球団から今後感染者が出た場合、自主的にPCR検査を行ったグランパスの例はモデルケースになるのか」との問いも出たが、同コミッショナーは「我々はいろいろなことを想定し、マニュアルを作っている。陽性者が出れば当然隔離され、濃厚接触者についても保健所の指定を受けた人はチームから外される。それ以外の人はあくまでも原則だが、野球のプレーは続けるというマニュアルを作っているので、そういうルールで粛々と進めていくことになる。もちろん状況次第でPCR検査を(全員)再度受けたほうがいいというような判断になればやるようなこともあるかも分からないが」と述べ、あくまでも慎重な姿勢だった。