G首脳が見放した〝流浪の剛腕〟澤村拓一の再生は阿部二軍監督頼み

2020年07月27日 06時15分

抹消された〝流浪の剛腕〟澤村

〝流浪の剛腕〟は復活できるのか――。巨人・澤村拓一投手(32)が今季初めて出場選手登録を抹消された。一時は代理守護神を任されたかと思いきや、登板機会は敗戦処理や緊急先発を任されるなど起用法は二転三転。その背景にあったのは、原辰徳監督(62)ら首脳陣からの信頼の失墜だ。課題の制球難を克服できない右腕に「阿部再生工場」への期待が高まっている。 

 26日の2位・ヤクルトとの直接対決(神宮)は早打ちが奏功して初回から一挙5点を先制。その後も攻撃の手を緩めず、計4発、今季最多となる14安打の猛攻を浴びせて9―4で圧勝した。再び3・5差に広げた原監督も「いやあ、もう先制パンチと言っていいんだろうね。ナイスイニングだったと思います」とえびす顔だ。

 そんな快勝劇の輪から姿を消していたのが澤村だった。前日25日には、右肩の違和感で急きょ先発を回避したサンチェスに代わって緊急登板。4回途中2失点で何とか試合をつくったが、この日抹消となった。指揮官は抹消した理由について「リリーフの中で、やっぱり彼は勝ちゲーム、大事なところで投げるというポジションでいてほしい」と理想の役割を明確にしつつ「今はそういうポジションではない」と語気を強めた。

 首脳陣も澤村を生かす可能性を模索した。ただ、実情は〝お手上げ状態〟だったようだ。球団関係者は「すべてはベンチの信頼を得られなかったということでしょ。やっぱり、いつ荒れだすか分からないし、マウンドに上がってみないと分からないこわさがある。だから、勝ちゲームでも投げさせられなかった」という。

 本来の守護神だったデラロサの故障離脱に伴い、原監督は今月7日に澤村を代理守護神に任命した。しかし、その期待と信頼はすぐにグラついた。1点ビハインドの9回の1イニングを無失点に抑えた12日のヤクルト戦(ほっともっと神戸)で2四死球を与える内容に、指揮官は「結果、(失点は)0点だったと」とピシャリ。

 首脳陣はこの1試合で澤村のクローザー構想を白紙に戻し、澤村を含めて中川ら4選手をケースバイケースで起用するプランに変更した。だが、その後も剛腕の起用法には苦悩がにじんだ。

 澤村を2度送り込んだ6回のマウンドでは、14日は6点リードの展開で19日は1点ビハインド。22日は5点差を追う9回で、7人のブルペン勢を動員してドローに持ち込んだ24日は最後まで出番がなかった。勝ちパターンとも敗戦処理ともつかず、何回のマウンドなら任せられるのか…。結局、理想と現実のギャップ、明確な起用法を見いだせないまま再調整を命じるしかなかったというわけだ。

 前出の関係者は「もう阿部二軍監督に何とか再生をお願いするしかない」とも。澤村にとっては中大の先輩で、現役時代はバッテリーを組みながら手厳しく育てられた〝恩師〟の一人。2012年の日本シリーズではサインを見落としたことで、大観衆の面前で頭をポカリと叩かれたのは今でも語り草となっている。

 指揮官が求めるのは全幅の信頼を持って送り出せる背番号15。「そういうポジションになって戻ってきてくれということ」。輝きを取り戻せるかは、阿部二軍監督の手腕にもかかっていると言えそうだ。