ソフトバンクは25日の日本ハム戦(ペイペイドーム)に大逆転負け。中盤から反撃を許すと、継投に入った7回に大量6点を失い、試合をひっくり返された。7安打の相手を上回る13安打を放ちながら、7―9の惨敗だ。試合後、工藤監督は勝負所での継投失敗を悔やんだ。

 鷹党が頭を抱えたくなるような結末だった。初回に栗原のプロ初となる6号満塁弾が飛び出し流れに乗ると、2回までに大量6得点。一気に試合の主導権を握ったはずだった。だが、先発の石川が5回に2点、6回に1点を失うと潮目が変わった。

 暗転したのは7回だ。鷹ベンチは石川をあきらめ、継投に入る。抜群の安定感で「勝利の方程式」に定着した高橋礼がマウンドへ上がったが、これが悪夢の始まりだった。

 サブマリンは先頭から右前打、四球を与え無死一、二塁と走者を背負う。続く打者を一ゴロに打ち取るも、併殺を狙った味方のエラーが絡んで失点。二死二塁までこぎつけるが、降板となった。

 3番手は開幕から10試合無失点の変則左腕・嘉弥真。指揮官は対左打者に強く、日本ハム・西川との相性を重視したが、結果はフルカウントからの四球。ここで工藤監督はさらに勝負手を繰り出す。続くスイッチヒッターの杉谷の場面で、右の長身右腕・椎野を起用。「右の方がいいと思ったし、椎野はフォークを持っている。杉谷君はあまり縦の変化に上手じゃないということで変えた」。だが、結果はストレートの四球で続く近藤に同点2点打、中田に決勝3ランを被弾した。

 指揮官は「あそこが肝だと思った。一人一殺できれば…」と明確な意図を持って1イニング3投手を送り込んだが「結果ああいう形になった」と肩を落とした。

 試合後「四球を出そうと思ってやっているわけじゃない。『使っている監督が悪い』と思ってやってほしい」とリリーフ陣に気持ちの切り替えを促した工藤監督。本拠地での痛すぎる大逆転負けに「すいません」を繰り返し「明日、なんとか取り返したい」と努めて前を向いた。