ソフトバンクが「金曜日に強い」理由は〝東浜の背中〟

2020年07月25日 12時09分

頼れる右腕・東浜

 ソフトバンクの東浜巨投手(30)が、24日の日本ハム戦(ペイペイドーム)で7回8奪三振1失点と好投し、2勝目を挙げた。「いい投手と当たるので、取られても最少失点でしのぐことを考えています」。不調時でも辛抱強い投球がリーグトップの防御率1・91に表れている。

 今季は自身初の開幕投手を務め、エース格が集う金曜日に登板。金曜日のチーム戦績5勝1敗は、右腕の力投が実っていることを証明している。

 頼もしいのは数字だけではない。選抜甲子園優勝投手で、大学野球の名門・亜細亜大では投手として初めて主将を託された。芯が強く背中で語るタイプの30歳は、ホークス投手陣でもその人格が認められている。

 一目置かれる立ち居振る舞いが今季もあった。17日のオリックス戦(京セラ)の2回、右足に強烈な打球が直撃。投球時に顔がゆがむほどの激痛に耐えながら続投してイニングを投げ切ると、次の回もマウンドに上がった。ベンチの判断もあり、3回で降板。直撃後すぐに退いてもおかしくない状態で〝時間を作った〟ことが、後を受けた中継ぎ陣の無失点リレーにつながった。

 2番手でマウンドに上がり、2イニングを完全に抑えてプロ初勝利を手にした笠谷が真っ先に感謝したのが、東浜だった。「巨さんが(続投して)時間を作ってくれた。いつでも行ける準備はできていました」。6年目左腕の言葉からも慕われる理由が分かる。

 その責任感は、日頃の用意周到な準備にもつながっている。開幕直前6月12日の広島との練習試合、初回に先頭打者の打球が左太ももを直撃。1週間後の本番を前にしたアクシデントにベンチは凍りついたが、東浜は続投を志願した。

 開幕戦前に理由を尋ねると「初回の先頭だったんで、いくら練習試合とはいえ中継ぎがまだ作っていない状況だと思ったんです。それを考えると、シーズン中も、もしかするとそういうアクシデントがあるかもしれない。そういった時に対処できるようにと、少しでも投げたかったんです」と真意を明かしてくれた。あれから、わずか1か月半――。チームを救い、後輩にプロ初勝利を〝お膳立て〟するファインプレーは生まれた。

 この日の試合後、東浜は自らの投球内容を聞かれて、こう返した。「今日は全体的に調子が良くなかったんですが、そこを加味した上で(甲斐)拓也が配球で助けてくれました。拓也に感謝したいです」

 目をかけてきた女房役を立てるところも実に右腕らしかった。頼もしい男にけん引されたチームは、今季初の単独首位に浮上。「金曜日に強いホークス」の中心に背番号16がいる。