バレ砲の打撃を崩した「天敵の攻め」があったのかもしれない。ソフトバンク・平石洋介一軍打撃兼野手総合コーチ(40)が22日、打撃不振に苦しむウラディミール・バレンティン外野手(36)について独自の見解を示した。

 開幕から鳴りを潜める助っ人砲の不振と悪循環に陥った要因とは――。まず「一番はタイミング。(始動の)タイミングが明らかに遅すぎていた。後ろに残りすぎていて、だから体が開かない、バットが出ないという感じだった」と指摘。その上で、ここまで迷走を深めている原因についても独自の考えを明かした。

「ひとつはインサイドに強い真っすぐを投げられる。そこが気になる」とし、言葉に熱を込めてこう続けた。「もうひとつは…これはあくまで僕の考えです」と断った上で「楽天戦の塩見にスローカーブを多投されたんです。今までこっち(インサイド)を攻められていたのが、スローカーブを多投されて、それに無理やり手を出してしまった。あのあたりからですかね、カーブも増えてきた。今までこっち(インサイド)に強い球を投げられて意識していたところに、カーブを使える投手がカーブを使い始めた。遅い球も来だしたというので、知らず知らずのうちにそっちが気になって、タイミングが遅れてきたんじゃないかなと、あくまで僕の見解ですが」

 7月9日のペイペイドームでの楽天戦、バレンティンは塩見と3打席対戦。第1打席の2球目で投じられたスローカーブは見送ったが、第2打席の初球は空振り、第3打席では2球目を打って三ゴロに倒れている。9日以降、39打数3安打、打率7分6厘と低迷(21日時点)。平石コーチは、楽天バッテリーの攻めがその後のバレ砲の打撃に悪影響を及ぼし、再生を遅らせている要因と独自分析した。

 現在、連日アーリーワークに参加するなど、懸命に不振脱出のためバットを振り続けているバレンティン。21日の日本ハム戦では実に60打席ぶりの一発を放った。「だいぶ早めにタイミングが取れてきた」(平石コーチ)。原因が分かれば復調へのアプローチは進む。V奪回へ不可欠な存在であるバレ砲の再生は、待ったなしだ。