無傷の4勝目!〝無双状態〟の巨人・菅野に忍び寄る不安材料

2020年07月22日 06時15分

完封で4勝目を挙げた菅野

 絶対エースに忍び寄る不安材料とは――。巨人・菅野智之投手(30)が、21日の中日戦(ナゴヤドーム)で今季2度目の完封勝利で無傷の4勝目。チームも4―0の快勝で、連勝も今季最長の7とした。前々回登板から23イニング連続無失点と〝無双状態〟に入った感もあるが、実はそうも言っていられない事情もあるという。 

 張り詰めたものが一気に解放された。最後の打者・福田を宝刀スライダーで空振り三振に打ち取った瞬間、菅野からは喜び以上に安堵の表情が浮かんだ。

 135球、圧巻の完封劇。高校、大学と直系の後輩にあたる大城との「東海大バッテリー」もかみ合ってきた。連敗、連勝中に回ってくる登板に「(チームに)勢いがある分、うれしい部分もありますけど(連勝を)止めちゃいけない難しさもある。この2週(の登板)はちょっと慎重になるマウンドだったと思います」とプレッシャーを感じつつも、そこで抑えきるのがエース。最後は「常に完封目指して頑張ります」と頼もしかった。

 昨季とは違い、従来の安定感がよみがえったことに原辰徳監督(62)は「登板して5試合目でしょ? まだまだだよ。まだ分からない」と慎重な姿勢だが、実は当の菅野も同様なのが現状だ。

 一体、何が懸念材料なのか。それは菅野の中にある、シーズンを乗り切るペース配分が完全に狂ってしまっていることだ。開幕前、菅野は「今年はこういう特殊なシーズンのなかで調整していくことになると、調整してて思いましたし、今これだけ思っているということは、開幕してからもそれなりの覚悟が必要だなと」と語っていた。その真意をチーム関係者はこう代弁した。

「彼(菅野)はシーズンを乗り切るペース配分が確立されている。自主トレ、キャンプでためたスタミナは球宴前に切れることを熟知したうえで、そこからは入念なコンディション作りで乗り切っていく感覚です。そのプランが完全に白紙になってしまい、先行きの見えない調整を強いられている」

 当初のスケジュールでいえば7月19、20日はちょうど球宴に該当。数日の休日を挟んで後半戦がスタートする流れだった。菅野としては多少の充電、リフレッシュを行い、正念場へと突入する流れだったが、今季はそんなゆとりはない。他球団の選手も一緒、とはいえ、巨人の絶対エースにかかる重圧、負担は並大抵ではないはずだ。

 以前、菅野本人に今季のペース配分について聞いた。返ってきたのはこんな言葉だった。

「正直、想像できないですよね。ローテーションもどういう間隔で回ってくるかもわからないですし、ある程度日程は決まってますけど、本当に流れに身を任せるしかないなと。その中で自分なりに受け止めていくしかないのかなというふうに…なかなか難しいですよね」

 今は中6日のペースをキープできてはいるが、節目となるオールスターブレークもなく6連戦が延々。さらには9月1日から13連戦、29日から10連戦が待ち受ける。開幕前には「全員条件は一緒。どれだけ腹くくって戦えるかだと思います」と殊勝に語った背番号18。これからもエースの重圧と闘いながら、手探りの調整が続く。