低迷中の広島の〝投壊〟が止まらない。21日の阪神戦(甲子園)もカード頭を託された先発・九里が乱調だった。1点リードの初回、二死走者なしからサンズにソロアーチを浴びて同点にされると、3回も二死走者なしから糸井に四球を与え、続く糸原に勝ち越しの2ランといずれも二死からのもったいない失点を喫した。

 さらに、5回には相手先発・秋山に二塁打を打たれてピンチを背負うとまたもサンズに適時打を許して失点し、大山には2ランを浴びて6点目を献上した。

「吉兆データ」すら生かすことができない。九里は昨季、阪神戦で3勝1敗、防御率3・00と好相性を誇り「攻めの投球をすることが重要。ストライクゾーンの中で自分の投球をしていく」と意気込んでいたが、メッタ打ちの5回6失点でKO。雨天によるローテ再編により、長いイニングを投げることができるゲームメーク力を買われてカード頭に抜てきされたはずだったが、3試合連続で5回降板…とまたしても期待に応えることができなかった。

 救援陣も不安定なままだ。5点を追う7回、「ひと振りでしっかり捉えることができた」という鈴木誠の8号2ランや選手会長・田中広の適時打で3点を返し、反撃態勢に入った。しかし、その裏に3番手で登板した高橋樹が先頭の北條に一発を浴び、リードを広げられると、追い上げムードは一気にしぼみ8回のDJ・ジョンソンも失点…。この黒星で今季最多を更新する借金5となった広島。チームを立て直すすべがまだ見つからない。