一軍でベールを脱ぐ日は近いか。ロッテの黄金ルーキー・佐々木朗希投手(18)が実戦登板に向けてペースを上げ始めている。

 佐々木朗は21日の西武戦前、メットライフドームの中堅付近で吉井投手コーチを相手に約60球のキャッチボールを披露。最長25メートル程度の距離だったが、スローイングを再開した今月14日の日本ハム戦試合前(札幌ドーム)のキャッチボールより力加減はやや強め。1球ごとに投球フォームを確認しながら、実戦登板に向けて順調な調整ぶりをアピールした。

 こうなると野球ファンが気になるのは「いつ令和の怪物が実戦でベールを脱ぐか」だが、チーム関係者の話では「少しずつ状態は出来上がってきているとはいえ、実戦はどんなに早くても8月以降でしょう」と慎重な姿勢を崩さない。この背景には2か月前に首脳陣が得た〝教訓〟がある。

 佐々木朗は5月26日にZOZOマリンで行われたシート打撃で160キロの直球を2度マーク。あまりの仕上がりの良さに首脳陣はその後30日、31日の紅白戦で黄金ルーキーを実戦デビューさせる方針を固めた。

 ところが、シート打撃登板後の肉体回復が予想以上に遅れたため、急きょ実戦登板を回避。調整ペースを再度落として、体力強化に集中させる方向に舵を切らざるを得なくなった。ロッテ首脳陣にはこの苦い経験が頭にある。

 剛腕のお披露目はもう少し先になりそうだが、開幕からの一軍帯同で着実に体力とプロ経験を積み上げている。今は怪物の進化をゆっくり見守るしかないか。