根尾の“塩漬け状態”に賛否両論だ。中日は19日の阪神戦(甲子園)で3―11と大敗して今季3度目の3連敗。借金6は今季ワーストで、最下位脱出が見えてこない。そんな中、一昨年のドラフト会議で4球団が1位指名で競合した根尾昂内野手(20)の扱いを巡り、チーム内が揺れている。

 中日では12日にドラフト1位新人の石川昂弥内野手(19)が昇格。同日に今年の高卒新人では12球団最速となる先発デビューで話題を呼んだ。そして1週間後の19日には開幕一軍入りも安打なしの渡辺に代わり、ドラフト5位新人・岡林勇希外野手(18)が一軍昇格した。早速、9回無死一塁から代打でプロ初出場。結果は二ゴロだったが、中日では相次いで高卒新人がひのき舞台に上がっている。同時に、こんな声が上がり始めているのだから気がかりだ。

 チーム事情に詳しい関係者は「どうしてここまで根尾を一軍に上げないのか不思議。二軍でじっくり育てる方針なら根尾よりも石川(昂)や岡林の方でしょ。根尾は全然一軍に上げてもらえなくて気落ちしてしまったのか二軍でも調子が悪くなってしまった」と言う。

 実際、石川昂が昇格するまでの根尾は二軍戦9試合で32打数10安打、打率3割1分3厘と好調だった。ところが12日から19日までの6試合で25打数4安打、打率1割6分と急降下。前出の関係者は「根尾は表情や口には出さないみたいだけど、石川(昂)に先を越されたのは相当ショックだったみたい。ましてや今回は岡林にまで。年下の高卒ルーキー2人に抜かれて焦っているのでは」と心配する。

 もちろん、同情的な意見ばかりではない。別の関係者は「石川(昂)の時は高橋の抜けた三塁、岡林は外野手の代わりだから根尾に声がかからなかったのも仕方がない。じくじたる思いはあるだろうけど、プロなんだから悔しさを乗り越えて一軍で活躍するようでなければダメ」と声を大にする。ともあれ、根尾の起用法がここまで注目されるのもやはり大物の証しということなのだろう。