熟練指揮官の大胆采配がピタリ的中だ。首位・巨人は18日のDeNA戦(横浜)を4―2で制し、今季最長の5連勝で貯金も最多の「8」とした。

 9回に2点差に追い上げられるヒヤヒヤした展開となったが、相手のエース左腕・今永の攻略へ、原辰徳監督(61)が仕掛けたのは〝左腕殺しオーダー〟だった。スタメンの野手8人中、7人もの右打者がズラリ。指揮官が右打者を7人並べたのは今季2度目で、15日の広島戦(マツダ)で難敵の左腕・ジョンソンを5回までに5点を叩き出してKOした〝勝負手〟とも言えるオーダーだ。

 ナインもここぞの集中力で応えた。2回には、1番に抜てきされた北村の2点適時打などで3点を先制し、5回は坂本のタイムリーで4点目。〝左殺し〟が奏功し、今永を6回でマウンドから降ろした。

 ただ、今季の今永は試合前の時点で対左(被打率2割4分3厘)よりも、対右(同2割1分1厘)の方が抑えているというデータも存在した。それでも右打者を大量投入した意図はどこにあったのか…。

 原監督は「それがウチのスタイルだから。ウチの中で、相手を見て戦っているというだけですから」と強調。左投手には右打者、右投手には左打者をぶつける。今季、さらに徹している感もあるオーソドックススタイルを貫いたというわけだ。そして、こうも言い切った。

「全員で戦っているというのは、今さら始まったことじゃないんでね。オーダーが変わったからといってあまり…」と言葉をつなぎ、一拍の間を置いて「騒ぐでないよ」とピシャリ。120試合の過密日程を全員野球で乗り越えていく。