重症バレンティンの師匠が鷹に贈る〝処方せん〟「誰かが今、ボロクソ言えるか」

2020年07月18日 21時41分

不振が続くバレンティン

 今季からソフトバンクに加入したウラディミール・バレンティン外野手(36)が打撃不振に苦しんでいる。本来の打撃を見失っている状態。18日のオリックス戦(京セラ)でもヒットが出ず、打率は1割9分1厘となってしまった。4番から5番に〝降格〟となった17日の試合後、ヤクルト時代の恩師で本紙評論家の伊勢孝夫氏が鷹に緊急提示していた〝処方せん〟とは――。

 またしても快音が出なかった。2試合連続で5番・左翼で出場し、2打数ノーヒット(1四球)。前カードの楽天6連戦(ペイペイドーム)から、11試合で打率1割(40打数4安打)、0本塁打、4打点と苦しんでいる。ここまで1試合2発を2度記録したこともあったが、本領発揮には至っていない。

 バレンティンがヤクルトに加入した2011年から5年間師事し、恩師と慕う伊勢氏は教え子の現状について「リズムの出ないDH起用が多いことも一つの要因として考えられるが、強いチームに入っていいところを見せようと力み倒している」と指摘。「打席での構えからそれが分かる。背中が丸くなり、構えが小さく見えるのは力みの表れ。あれでは差し込まれるし、空振りも多くなる」と分析する。

 2013年の「60発」を知る伊勢氏はこう続ける。「彼が一番苦にするのはインサイドの速い球。セよりもパの投手の方が、そこに速い球を制球できる投手が多い。苦戦は想定内」。だが、このオリックス6連戦までで5球団との対戦がひと回りする。「彼は非常に頭のいい選手。ライバルの攻め方はある程度、頭に入ったはず。ふた回り目からは配球を読んで打ってくる。このままとはいかないはず」という。

 気をもむ鷹首脳、鷹党には心強い見立てだが、真の再生に導くにはバレ砲の操縦を誤らないことが前提になる。

「なぜ日本で彼が成功したか。それは日本の心を知り、本音と建前を理解しているから。節目で〝はれ物〟に触れるような扱いは逆効果。周囲が彼の本当の信頼を得られるか、不振の時ほど試される。耳の痛いことを言ってくれる人間こそが、本当に自分を思ってくれる人間というのを彼は知っている。力み倒している彼に本音でそれを指摘できるか。ひと回り目だから大目に見るといったスタンスは誤り。今、ボロクソ言えるか。誰かが時を逃さず本音で言えれば、絡まったくもの巣は解ける。技術や経験、野球脳は確か。力を引き出すには、そういう関係の構築が重要になる」

 最後に師弟時代を回想し「素行が良くない彼を呼びつけて何度も話をした。1日で金髪から黒髪に戻してやってくる選手。身なり一つでもガツンと言えるか。お客様扱いは逆に〝冷たく〟映るのが外国人の内心」と説いた伊勢氏。「彼なら120試合でも35本(塁打)は打てる。再生のゆくえを見届けたい」。

 常勝軍団のバレ操縦法に注目が集まる。