原巨人の「総動員戦略」で21世紀初の〝珍事〟あるか

2020年07月18日 06時15分

原監督の「総動員戦略」に注目だ

 巨人は17日のDeNA戦(横浜)を2―1で降雨コールド勝ち。今季2度目の4連勝を飾った。6回終了時にゲームセットとなり、控えメンバーの出番はなかったが、特殊なシーズンを打破するべく原辰徳監督(61)が掲げる「総動員戦略」を巡って意外な声も上がっている。21世紀初の〝珍事〟というのだが…。

 序盤の攻勢が功を奏した。珍しく初回の攻撃で坂本と丸に犠打のサインを送り、1―1の3回には丸が決勝4号ソロ。降雨のため、試合の続行は6回で不可能となったが、原監督は「天気予報は良くないというのは分かっていたわけだから、最初に1点を取りにいこうと。ジャイアンツにとっては幸運であったというところ」と、内心にんまりだ。

 首位快走を支えているのは、原監督が特異な2020年シーズンを突破するために採用した〝総力戦プラン〟だ。負担を軽減させる日替わり打線を組むだけでなく、今季は26人に拡大されたベンチ入りメンバーを毎試合フルに使う勢いで動員している。

 その最大の理由は、過密日程による故障への予防。17日も指揮官は「日程的なものがハードだから、全体で戦うという意識を持たないと。ケガ人が出て考えるのではなくて、ケガ人をなるべく出さないように」と強調した。15日の広島戦(マツダ)では丸、左脇腹の違和感があった坂本もスタメンから外している。

 また、総動員作戦にはもう一つの狙いもある。それは「常勝」を義務づけられた巨人の〝永遠の課題〟である勝利と育成の両立だ。「ゲームで使わないと成長って難しいもんね」。まだ序盤とはいえ、若手もまんべんなく起用することで「選手たちは自立できている気がしますね」と一応の手ごたえを感じている様子だ。

 文字通りの全員野球で負担を分かち合うのも2020年戦術と言えるが、開幕から「4番・三塁」で一人だけ固定起用されているのが岡本だ。打順の兼ね合いや守備変更によって途中交代したケースは4度あるが、いずれも4打席以上立っている。そのため、早くも「規定打席に到達するのは岡本だけではないか?」(球界関係者)と、ささやかれ始めている。

 17日時点で22試合を消化した巨人の規定打席は68打席。条件を満たしているのは岡本の94打席を筆頭に丸(89打席)、坂本(86打席)、中島(76打席)、パーラ(75打席)の5人となっている。ただ、坂本がそうだったように、コンディション不安などの兆候が見られれば、即座に休養させるのが今季の特徴の一つ。起用が流動的となる半面、指揮官が全幅の信頼を置く不動の4番だけが〝突出〟した打席数になるのでは…との見方だ。

 ちなみに、2001年以降の巨人で規定打席到達者が最も少なかったのは2人。03年(二岡智宏、高橋由伸)と15年(坂本、長野=現広島)の2度で、今季が岡本だけとなれば今世紀初の珍事となる。120試合の短縮シーズンで夢の4割打者の出現も期待される中、どんな結末が待っているのか――。