43歳のヒーローが見せる「プロの背中」阪神・福留がもたらす相乗効果

2020年07月17日 06時15分

勝利の立役者となった福留

 球界最年長43歳は元気いっぱいだ。16日のヤクルト戦(甲子園)に6―4と競り勝った阪神は4カード連続勝ち越しで、ついに最下位脱出。勝利の立役者となったのが福留孝介外野手だ。

 矢野監督も「ホンマに孝介のおかげ」と最敬礼の独壇場だった。2点を追う6回二死一、二塁から代打で登場し、2番手・近藤から右越えに2点二塁打。今季初打点をマークすると、8回にサンズの同点弾で4―4とした直後の2打席目では一死一塁から4番手右腕・清水の初球、145キロ直球をものの見事に捉えた。

「打った瞬間、届くと思った」と手応えばっちりの一撃はバックスクリーンへ。NPB17年連続弾にもなる決勝の今季1号2ランを放った打のヒーローはお立ち台で「ファンの方々の目の前で野球ができることをとてもありがたく思っています」と聖地に集まった虎党に呼びかけ、大喝采を浴びた。

 日米通算22年目となる今も「永遠の若手」そのもの。矢野監督も「グラウンドに出る前の部分、姿勢からして違う。本当のプロとしての背中を常に見せてくれる」と最上級の褒め言葉を並べる。

 一時は打率1割を切るほどの不振にあえぎ、6月26日以降はスタメン出場がない。それでも腐るどころか、首脳陣に「何でもやりますから何でも言ってくださいね」と申し出るほど向上心は衰え知らずだ。9日には志願して鳴尾浜での二軍戦にフル出場し、ナイターでの「親子ゲーム」をこなした。

 そんな43歳の有言実行のおかげで、今では首脳陣が「行っておけ」と言うまでもなく高山や陽川、江越など控えの面々が連日「鳴尾浜での二軍戦→甲子園一軍ナイター」の親子ゲームを志願するなど、ベテランの行動がもたらす相乗効果は計り知れない。

「今、自分が与えられている場所で、できることを精一杯」と話すベテランはこの日、2014年以来6年ぶりの中堅守備にも就いた。43歳で中堅を守ったのは1956年の岩本義行(東映)以来64年ぶり2人目だ。まだ21試合にもかかわらず、これで左翼、右翼と合わせチームで唯一、外野の全ポジションを守った虎の球界最年長男は後輩選手に動いて手本を示せる球界の〝宝〟だ。