巨人のトレードはまだ終わらない?メジャー流〝原GM〟の野心

2020年07月16日 06時15分

試合に勝ちグータッチする原監督

 電撃トレードの背景とは――。巨人が開幕からの3週間で楽天と2度のトレードを敢行した。やはり気になるのは、チーム編成権も握る原辰徳監督(61)のフロントとしての手腕だ。賛否両論渦巻くなか、球界内から聞こえてくるのは、監督だけでなく〝原GM〟としても「メジャー流」を導入したことだった。

 15日の広島戦後、原監督は楽天から変則中継ぎ左腕の高梨雄平投手(28)を獲得したトレードについて「彼の役割というのはみなさんご承知の通りでね。うちにはやっぱりいないタイプの投手ですし、コンディションさえよければね、十分一軍でできる投手だというふうに思っています」と語った。

 代わりに差し出したのは将来のエース候補だった高田萌生投手(22)。負傷者続出と過密日程で〝投壊危機〟にあった巨人と、次代を担う先発投手を欲していた楽天の思惑が一致した、というのが今回のトレードの流れだが、ある球界関係者はこう補足した。

「楽天フロントは高梨をトレード要員に先発投手を探していたが、当初マークしていたのはオールスター出場経験のある某右腕ともっぱらだった。しかし、新型コロナの影響やチーム事情が変わったのか、彼が戦力構想に入ったことで、その目がなくなった。そんな中、巨人からお声がかかったようだ」

 入団1年目から活躍した高梨だったが、石井GMはじめフロントの評価はそこまで高いものではなかったという。楽天の関係者はこう語る。

「(石井)GMが会見でも言ってたけど『左には左』の考え方は、データ的に見ても意味がないという見解。むしろ左でも右でも抑えられ、イニングを稼げる投手を理想としている。高梨はそのタイプではなかったし、四球の多さもフロントとしては引っかかるポイントだった」

 しかし、それはあくまで楽天の話。投手陣のやりくりに苦心していた巨人としてはうってつけの存在だった。ただ、ここで物議を醸したのは原監督自ら「近未来、ジャイアンツを背負って立てるだけのものはある」とまで語った有望株の放出だった。

 巨人・大塚球団副代表は苦渋の決断としたうえで、根深かったという〝飼い殺し〟をせずに「生かす道があるならば探してあげよう」とする原監督との総意だとしたが、批判的な声も少なくない。

 そんな周囲の反応に、某球団の編成担当は「石井GMだけでなく、原監督もフロントとしてメジャー流を取り入れたってことじゃないですかね」と前置きし、こう続けた。

「シーズン中に即戦力の主力を他球団から補強する代わりに、自軍のプロスペクト(有望株)を出すというトレードはメジャーではよくあるが、日本では珍しい。ほとんどの球団が二の足を踏むでしょう。メジャー仕込みの石井GMの要求に巨人が応えたのは、やっぱり考え方が変わったということだと思いますよ」

 第3次政権となって以降、原監督は調整法や練習、さらに日本では暗いイメージになりがちなFAの活性化を訴えるなど、メジャー流の考え方を導入してきた。今回のトレードもそんな〝原GM〟の意向が大きく反映されたに違いない。

 開幕延期の影響で、今季のトレード期限は9月末へと変更された。大塚副代表は「前回、トレードは終わりと言ったんだけどね」としながら「先発(の補強)も考えているんだけどね」と、さらなるトレードの可能性を示唆した。原GMの動きにも注目が集まりそうだ。