〝松坂2世〟の好素材だった巨人・高田萌生 電撃トレードに身内も驚き隠せず

2020年07月14日 18時35分

楽天へトレード移籍が発表された巨人・高田萌生

 未来ある若手のキャリア尊重か、常勝球団ゆえの育成タイムリミットか…。巨人・高田萌生投手(22)と楽天・高梨雄平投手(28)の交換トレードが14日、両球団から発表された。

 巨人・大塚球団副代表はトレードの経緯について「高田は次期ローテーションピッチャーだったから結構悩んだんですよ」と説明。一方、楽天・石井GMは巨人側から高梨について強い獲得要望があったことを明かした。

 これが伝統球団の厳しさと言ってしまえばそうなのかもしれない。だが、高田放出にはどうしてもやり切れない思いを抱く球団関係者やファンも多いのではないか。
 
 岡山・創志学園出身の高田は高校時代から〝松坂2世〟の呼び声高く、巨人入団後は未来のエース候補として手塩にかけて育てられてきた。当時のスカウト陣もドラフト5位で獲得できたことに驚いたほどの逸材で、同期の大江とともに「強化指定選手」として期待されていた投手だ。

 入団当時は大江に比べて線が細く、「骨格が成長途上」という事情から慎重な育成方針がとられたが、17年当時の担当コーチだった小谷正勝氏(現評論家)は「高田は体力面でもう少しですが、素材は大江以上。三振が取れるので、先発もリリーフもできる」とほめちぎっていた。名伯楽が「いやあ、楽しみ」とうなる姿に、こちらもワクワクしたものだ。

 期待の若手が電撃トレード放出となると「また何かやらかしたのではないか」とうがった見方をしてしまいがちだが、ファーム関係者によれば「そういうことは全くない。故障もないし、ガンガン投げられる」という。

「話を聞いてビックリしたけど、アイツはどこかのほほんとしたところがあるからね…。(原)監督は闘志むき出しの投手を好むから、うまくアピールできなかったのかな」と寂しげに話した。

 昨季は一軍でわずか2試合、計5イニングと消化不良に終わったが、7三振と光るものは見せていた。18年にイースタン・リーグで11勝を挙げ、最優秀防御率、最多勝にも輝いている。大塚副代表は「昔ジャイアンツはトレードに出したら活躍されると困るという話になって、どっちかというと飼い殺しをしていたんですよ」とぶっちゃけ、今回は高田のキャリアを尊重しての決断だと強調したが…。

「ファンの期待に応えられず、残念な気持ちでいっぱい。仙台でも野球選手として全力で頑張ります」とコメントした高田。巨人では〝つぼみ〟のままだったが、まだ22歳。「楽天でエースになって球団を見返してやれ」と送り出してくれた巨人スタッフの思いに、今度こそ応えて花を咲かせたい。