【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】「いつも、その質問をされてしまうよね」。2月の沖縄での出来事だ。春季キャンプも終盤を迎えた宜野湾での一幕。DeNA・ラミレス監督に、今季の阪神との相性について質問すると冒頭のコメントが返ってきた。

 そして続けて口から出てきたのは「大丈夫。今年は大丈夫よ」という言葉。その心は? そう突っ込むと意外な人物の名前が飛び出した

「江夏(豊)さんも言ってくれた。『試合内容としては五分五分だよ。ほんの少し運が悪かっただけ。何も気にすることはない』ってね」

 取材のため宜野湾を訪れていた虎のレジェンド左腕とは、名球会で先輩、後輩の関係。阪神との相性の悪さに話題が及ぶと、運の差だから意識するなと助言されたようだ。

 3連戦初戦となった10日の同カード(甲子園)では、1点差に迫りながら降雨コールドで敗戦。なんとも運のない負け方だったのだが…。ただ、翌11日は9回に守護神・藤川から3点を奪い逆転勝利を収めた。

 12日の第3戦は1点差と迫りながら岩貞、スアレスの継投にかわされてカード負け越しとなってしまった。運がいいのか悪いのかまだまだ流れは見えないが、今季はホーム、ビジターで6試合を消化し3勝3敗の五分となった。

 DeNAとしては今季こそ対阪神負け越しを6年連続で止め、2013年以来の勝ち越しを決めたいところ。阪神OB・江夏氏の助言に対し、ラミレス監督は「僕は江夏さんの言葉を信じるよ」と話していたが、どうなるのか。今季が終わるころの両軍の星取りに注目だ。 


☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍。2013年10月独立。プロ野球だけではなくスポーツ全般、格闘技、芸能とジャンルにとらわれぬフィールドに人脈を持つ。