鷹の主砲・柳田の6戦5発で5割復帰 工藤監督は「四球か打ち損じを待つしかない」と脱帽

2020年07月12日 20時01分

主砲・柳田の活躍でソフトバンクは借金完済

 ソフトバンクが12日の楽天戦(ペイペイ)に6―1で快勝し今季初の3連勝。主砲・柳田悠岐外野手(31)がこの日も打線を力強くけん引した。

 先発・石川が初回に三者連続三振を奪い、勢いをつけた直後の攻撃。勝負の機微を知る鷹の主砲が黙っていなかった。

 初回二死走者なし。フルカウントから相手バッテリーが最善を尽くした低めの147キロ真っすぐ。普通なら長打にするのが難しい球を、柳田は鋭い振りですくい上げると、打球は右打者が引っ張ったかのような力強い弾道で左翼テラス席へ突き刺さった。「丁寧に集中して打てた。芯に当たったので入ると思った」。ファンの間で話題の〝確信歩き〟とまではいかなかったが、手応え十分の一発だった。

 今カード6戦5発。まぎれもなく「首位討伐」の立役者は「自分でも調子がいいのか分からない。とりあえず痛いところがないのでコンデイションはいいです」とひょうひょうと振り返る。相手や周囲の環境に惑わされず、打席では「集中して自分のスイングをすること、コンタクトすることだけを考えている」。そんなシンプルな思考で自分の世界に入り込めていることが〝ゾーン〟につながっている。

 頼もしすぎる主砲に、工藤監督も脱帽だ。この日の先制弾に「フェンス直撃かと思ったら本塁打。素晴らしいパワー」と驚嘆。8本中7本が中堅から左翼方向への一発であることに「本塁打を打てる幅が広いというところがあるんじゃないかな。失投を逃さないのがいい打者だが、今日の球は低めの球。それをあそこまで飛距離が出るというのは、野球界でもそういない。それも逆方向にあれだけ打てるのは柳田だけ」と好調ぶりを解説した。

 通算224勝左腕の指揮官は柳田の「逆方向弾」がライバルたちに強い心理的重圧を与えているとも説く。「インサイドが甘くなったらライトに打たれる。相手バッテリーは落とすか、外へとなる。それを逆方向に打たれると投げるところがなくなる。あとは四球しかないし、打ち損じを待つしかないとなってしまう」。敵じゃなくてよかったという〝心の声〟が聞こえてきそうだった。

 主砲の働きでチームは首位を快走していた楽天に今季初の3連勝。2カード連続の勝ち越しで常勝軍団には似合わない「借金」を完済した。柳田は「お客さんが入って雰囲気が変わった。ファンの思いがチームの力になっているように感じる」と、有観客試合が始まった10日からの3連勝に深くうなずく。

 首位・楽天との差は2・5ゲームまで縮まった。頼れる主砲にけん引され、鷹が上昇気流に乗ってきた。