シーズン120通りも辞さず!?〝密〟を乗り切る原巨人の覚悟

2020年07月11日 06時15分

原監督の熟練の手綱さばきに注目だ

 超過密日程を勝ち抜く2020年版の原流戦術とは――。120試合の短縮シーズンな上、巨人は10日に予定されたヤクルト戦(ほっともっと)も突然の豪雨で今季3度目の中止となった。9月には13連戦、10月にも10連戦が組み込まれており、ますます日程を圧迫することは必至。攻撃陣では負担分散を念頭に日替わりオーダーを組んでいる一方で、ライバル球団が注目するもう一つの特徴がある。

 またもや天候に翻弄された。試合開始直前から急激に雨脚が強まり、グラウンドはアッという間に水浸しに…。今季初めてスタンドを埋めた5000人のファンも泣く泣く帰路に就くしかなかった。

 原辰徳監督(61)も「残念だね」と肩を落としたが、相次ぐ中止に今後のかじ取りはますます難しくなる。すでに9月の30日間で13連戦を含む27試合が組み込まれ、9月29日からは10連戦。9月1日から10月18日までの48日間で試合がないのはわずか4日間だけの気が遠くなるような日程となっている。加えて、この日の中止分も後日に振り替えられるため、故障などへのリスクマネジメントはいっそう重要になってくる。

 その一つが、負担分散策だ。幻に終わったものも含め、試合前に発表されたオーダーは18試合で18通り。この日は3番に陽岱鋼を置くなどの新オーダーだった。すべての試合でメンバーを入れ替える意図について、原監督は「本当にチームとしてのスクラムを組んで戦わないといけない。これから日程はもっと密になるだろうしね。今みたいな戦い方というのは、あえてしていると言っても(過言ではない)。そのへん(過密日程)をにらんでというところもあります」と率直に語った。

 ただ、これは一端にすぎない。ライバル球団が着目する原采配の〝変化〟はもう一つある。それは、坂本や岡本ら不動のレギュラー陣を除く選手の「格」をも度外視した「右投手には左打者」「左投手には右打者」という〝超オーソドックススタイル〟の徹底だ。

「相手投手が右になった途端に、ただちに左打者を送り出す。その反対もしかり。これまでも原監督はそうだったが、今年はより顕著になっていると思う」(セ球団関係者)。3日の試合ではベテランのFA戦士・陽岱鋼の代打に迷わず5年目の重信を送ったこともあった。

 その影響もあってか、代打成績はリーグ屈指の打率3割3分3厘。「これほどハッキリしていれば、控えの選手たちも自分の出番に向けて準備しやすいはず」(同)と見られている。

 前例のないシーズンの中、V2へ突き進む熟練指揮官。全日程を終えた時にはオーダーも120通りに達しているかもしれない。