ロッテとの契約が9日に解除されたジャクソン・ジュニア・ランディー容疑者(32)が10日に大麻取締法違反(所持)の疑いで広島県警に逮捕された。

 7日の西武戦(ZOZOマリン)で今季3ホールド目をマークしていたばかりだったが、コロナ禍から再び観客を入れる記念日に水を差す最悪のタイミングとなった。ロッテでは全選手、スタッフへの即日の尿検査実施と薬物使用に関する講習の徹底などで再発防止を図るという。

 とはいえ大金がかかる助っ人獲得においては、これまでも素行調査など、できる限りのことはすでに行われてきた。実際、オフにジャクソン獲得に動いていたという在京球団のフロントは「広島時代の話を周囲に聞いてもいい話しかなかった。薬物の使用は本人が隠していれば獲得前には分からない」とお手上げ。条件面で獲得とはならなかったが「ウチで発覚していてもおかしくなかった」と対岸の火事ではないという。

 また別の球団の編成関係者も「外国人選手にだけ薬物検査を厳密にやれば『なぜ日本人選手にはやらないのにオレたちだけ。差別だ』と言われかねない」と昨今の社会情勢からも〝狙い撃ち〟は難しいと話す。となれば今回、ロッテが行うように全選手を対象にする必要がある。

 問題なのはジャクソンは日本で3年間プレーし、まだ調査がしやすかったこと。海外リーグから直接、獲得する場合は「成績を見て獲得を決めても素行も含め、日本で活躍できるかどうかは実際に来てみないと分からない」(前出のフロント)。

 複数球団が競合した場合は当然、選手側の機嫌を損ねるわけにもいかない。検査の徹底は実際には難しく、今後も同様のケースは起こりかねないという。