広島のドラフト1位・森下暢仁投手にとってはほろ苦い本拠地デビューとなった。プロ初勝利から中10日のマウンドとなった9日のDeNA戦は初回からピンチの連続。四球で出塁を許した梶谷を素早いけん制でアウトにしたものの、4連打を浴びて早々と2点を献上した。

 雨天中止によって登板が伸び伸びとなり、ルーキー右腕にとって調整が難しい状況だった。ブルペンでの球数やランニング量などすべては手探り状態。それでも森下は「こういう経験をしながら、自分の調整法を作っていきたい」と前向きに捉え、この日のマウンドに上がった。

 しかし、この日の登板中も〝雨〟に苦しめられることに…。3回を迎えたところでは突如、雨脚が強まりずぶぬれになりながらの投球。変化球がすっぽ抜け、球審にボール交換を要求する場面もあるなど、悪条件に苦しめられた。

 4回も雨脚が強いなかでのマウンドとなり、この回途中で100球に到達。たまらず沢崎投手コーチがマウンドに駆け寄り、雨でぬれたロージンバッグの交換を要求する場面もあった。それでも得点圏に走者を進めた2、3、4回を無失点で切り抜けると本調子とはいかないなか、5回を投げ切り2失点に抑えてみせた。

 打線はDeNA先発・井納に対して4回、二死一塁から「森下が頑張っていたので何とか援護したかった」と女房役・会沢の適時打で1点を返したものの、救援陣の中崎が傷口を広げる乱調で試合はものにできなかった。プロ3戦目で初黒星を喫した森下。今回の経験を今後に生かしたいところだ。