ロッテ・荻野貴司 悲願の盗塁王へ抱えるジレンマ

2020年07月09日 14時00分

盗塁数で現在リーグトップのロッテ・荻野(右)

 ロッテの韋駄天・荻野貴司外野手(34)が今季序盤から着実に盗塁数を積み上げている。

 6月の10試合で5盗塁を記録すると、7月に入っても勢いは衰えず8日の西武戦(ZOZOマリン)では風速15メートルの強風の中、今季8盗塁目をマーク。盗塁数リーグトップをひた走りながら好調チームをけん引し続けている。

 荻野と言えば、2009年のプロ入り以来、50メートル5秒台を誇る快足を武器に活躍してきたが、度重なるケガに悩まされタイトルとは無縁。このため今季こそ悲願のタイトル獲得に意欲を燃やしていると思われがちだが、本人は春季キャンプ中から「簡単にそれ(盗塁王)は狙えるとは言えない状況なんです」と慎重な姿勢を崩していない。その理由はパ・リーグ各球団バッテリーの“警戒”があるという。

「ここ数年、本当に実感しているのですが、パの投手のクイックや捕手のスローイングの進歩がすごくて。僕が万全のスタートを切っても、成功しないこともありますから。周囲には『年齢の影響で足の衰えもあるのでは』と言う人もいますがそれは違う。間違いなく相手バッテリーの対策が厳しくなっている。それを乗り切っていかないといけませんから。本当にきついですよ」

 そんな状況下でも普段から相手の対策をしのぐ研究を重ね、一つでも多くの盗塁を成功させる。その努力が今、功を奏していると言える。「やはり試合での盗塁は投手の癖やタイミングを盗む必要がある。あまり詳しくは言えませんが、そこを乗り越えるしかないでしょうね」

 チームには今季、和田康士朗外野手(21)という新たな韋駄天がブレーク中だが、ベテランも負けてはいない。悲願の初タイトルに向け、荻野の戦いは続く。