令和の赤ゴジラとなるか 広島・堂林プロ11年目の覚醒

2020年07月09日 11時00分

逆転満塁弾を放った広島・堂林

 広島・堂林翔太内野手(28)の勢いが止まらない。今季初めて三塁手として先発出場した8日のDeNA戦(マツダ)では1点を追う8回、一死満塁のチャンスでバックスクリーンに飛び込む値千金の逆転3号グランドスラム。一振りでチームの連敗を4で止めたヒーローは「結果を残すことで毎日必死。やれることをやって、何でもいいのでチームに貢献したい」と汗を拭った。

 11年目を迎えた背水の覚悟が結果につながっている。昨オフに復活のきっかけをつかもうと一念発起し、後輩である鈴木誠也外野手(25)に弟子入りして自主トレに参加。シーズンに入ってからも「同じ右打者なので誠也から投手の変化球の曲がり方などを聞いて打席に入っている」と結果を出すために“情報収集”は欠かさない。今回もチームの三塁手不足を補うために再挑戦を決断したことでつかんだ出場機会だった。

 入団3年目の2012年に14発を放ちブレークして以降は伸び悩み、昨季の出場はわずか28試合。ファンからの風当たりも強くなり、球団内でもいつ整理対象になってもおかしくない状況に陥った。それでも見切られなかったのは「赤ゴジラ」こと嶋重宣氏(現西武二軍打撃コーチ)の存在があったからだという。

「投手からの転向という違いはあるが、嶋は10年目にタイトルを取ってブレークした。堂林も能力に間違いはない。きっかけさえあれば一軍で戦力になる」(球団関係者)と、球団側はクビ寸前から一転、04年に首位打者や最多安打を獲得した赤ゴジラの前例を踏襲し、堂林の復活に期待をかけ続けてきたのだ。

「派手さはなくてもいい。泥くさくやっていく」という堂林。今年は逆襲の一年だ。