大下剛史氏が指摘する広島ベンチ全体の活気のなさ「佐々岡監督は若さを前面に出してもいい」

2020年07月07日 06時15分

活気が感じられない広島ベンチ

【大下剛史 熱血球論】佐々岡新監督率いる広島は5カード、13試合を戦い5勝7敗1分け(2試合が降雨中止)。開幕から4カード連続でビジターだったことを考えれば可もなく不可もない成績だが、心配な点も見えてきた。特に気になっているのがベンチ全体の活気のなさだ。

 無観客試合という点を差し引いても、広島ベンチは静かだった。時折モニターに映し出される指揮官の表情も、赤いマスクのせいなのか、ピンチやチャンスだからといって大きく変わらないように見える。作戦面もしかり。落ち着いていると言えば聞こえはいいが、特に攻撃面ではクリーンアップ任せのオーソドックスな野球が目立つ。

 広島は伝統的に機動力でかき回し、相手のミスを誘って、もぎ取った得点を守り切るという野球をしてきた。それが今季はあまり見られない。相手にとって、これほど楽なことはないだろう。それこそ佐々岡監督は投手出身なのだから、自分がマウンドにいて嫌だなあと思っていたことを積極的に仕掛けていってもいいのではないか。

 1年生監督なんだし、失敗して当たり前。失敗を糧に「あの場面では選手を信じて我慢すべきだった」「選手任せにせず、具体的に指示してやればよかった」と学べばいい。動かないと分からないことだってある。

 野手のことは野手出身のコーチに任せているのかもしれないが、ならば高ヘッドが積極的に進言するべきだ。佐々岡監督は聞く耳も持っている。2016年からリーグ3連覇を成し遂げたと言っても、まだまだ〝成熟した大人のチーム〟の域には達していない。もっと若さや活気が前面に出てもいいはずだ。

 人の良さを出すのはグラウンド外だけでいい。佐々岡監督には、現役時代にマウンド上で醸し出していた「打てるものなら打ってみろ!」の姿勢をもっと見せてもらいたい。

(本紙専属評論家)