いよいよ本領発揮ということなのか、それとも――。開幕から極度の打撃不振で話題となった、阪神の新助っ人、ジャスティン・ボーア内野手(32)が5日の広島戦(マツダ)で特大の満塁本塁打を放った。前日4日の同カードでも3安打の大暴れと、当初のダメ助っ人ぶりがウソのような活躍だ。

 メジャー通算92発男のバットがついに火を噴いた。「最高の仕事ができて良かった」と会心のガッツポーズでダイヤモンドを一周したボーアは、出迎えた矢野燿大監督(51)ら三塁ベンチへ、おなじみの「ファイアボール」ポーズを炸裂させ、喜びを爆発させた。1日以来の3試合ぶりの来日2号となる一発は、値千金のグランドスラムでの決勝弾。これまで今季は3度の満塁機でいずれも凡退していたこともあり「気分がいいね!」とどや顔を作った。

 2度の3冠王を獲得した伝説助っ人「バースの再来」として、推定年俸2億7000万円で契約した新大砲も、開幕後は18打席連続無安打と極度の不振にあえぎ、そのバースが1983年に樹立した新外国人選手の連続無安打記録を更新。“看板倒れ”の空気も漂うなか奮起の源となったのは、昨年まで在籍したエンゼルスの同僚・大谷翔平からの“便り”でもあった。

 1日(日本時間)に大谷がインスタグラムを更新。「WE’RE BACK」と題して投稿した動画には、今季のMLB開幕を告知するとともに、アルバート・プホルスやジャスティン・アップトンらのレギュラー陣のプレーする姿が。その映像のなかには、そうそうたる面々のなかの一員として、一塁手としてプレーしたボーアの姿もあった。

 大谷とボーアの2人は、現在もともに互いのインスタグラムをフォローし合う仲で、この映像ももちろんチェック。ボーアは大谷がこの動画を投稿した1日の中日戦で来日初本塁打を放つと、その4日後には満塁弾で勝利打点を稼ぐなど、確実に状態を上げている。
 海の向こうから届けられた元同僚からの“更新映像”は、互いの異国の地でプレーする2人にとっては、無言のエール交換にもなった模様。日本人の二刀流メジャーリーガーの存在が、ボーアの元メジャーリーガーとしてのプライドを呼び覚ますきっかけになったようだ。