〝ミスターブルーウェーブ〟藤井氏が古巣に喝!「毎日試合に出る野手が頑張らないといけないよ」

2020年07月05日 16時00分

藤井氏は古巣オリックスへ熱いゲキを飛ばした

 オリックスOBで評論家の藤井康雄氏(57)が古巣にゲキを飛ばした。オリックス、ソフトバンクで打撃コーチを務め、今年から「JSPORTS」オリックス中継の解説者に就任。〝ミスターブルーウェーブ〟が考えるオリ上位浮上のカギとは…。

 ――引退して17年間、オリックスやソフトバンクで打撃コーチやスカウトを務めた

 藤井氏 今思えば毎日しんどかったなあ、と。二軍だと育てないといけない、一軍だと試合に勝たないといけないというプレッシャーからは解放されたかな。グラウンドに行きたくないっていう時もあったからねえ。

 ――今年から解説者デビューした。心掛けていることは

 藤井氏 OBだし、期待を込めた応援するような解説を心掛けたい。打者の特徴や技術的なことも伝えたいですね。

 ――古巣オリックスと常勝軍団ソフトバンクで指導し、感じたことは

 藤井氏 ホークスはベテラン、中堅がしっかりしている。よく練習して姿勢で示し、それを若手が見て学ぶ。僕らがコーチとして場所を与えたらみんな集まってくる。オリックスはこっちから引っ張っていってやってあげる。試合終わりの反省会しようかとか…。経験の少ない選手が多いから自発的に、というのはないので、我々から発信してあげないとダメというのはあるね。

 ――ソフトバンクで3度の優勝を経験し、8年ぶりに古巣に復帰した2018年は…

 藤井氏 ベテランで中島、小谷野はいたけど、引っ張っていくタイプではなかったし、T―岡田や安達も成績がついてきていないこともあって…。いいラインができていなかったかな。そういう部分でホークスとは差があるよね。ベテラン、中堅がしっかりしていれば若手が失敗してもカバーできる。それで慣れてきて今宮みたいに実力をつけてくるし、上林だって失敗もあるけど、とんでもない仕事をすることだってある。他がしっかりしていれば若手を試せるんだけど、オリックスはそこがままならない。だから若い選手に責任がかかってプレッシャー負けする。そこが一番違うとこかな。

 ――今季のオリックスについては

 藤井氏 いかに得点力を上げていくか。安定感があるのは吉田正なんだけど、昨年はその前後を打つ選手がコロコロ代わったり、結果を出せなかった。そこをいかにカバーできるか。ジョーンズ、ロドリゲス、T―岡田…。もう100得点をプラスしないと優勝争いできない。20勝の差が出てくる。

 ――投手よりも打線だと

 藤井氏 ここ数年の戦いで何が不足しているかといえば、得点力。そのためのジョーンズの加入でしょ。彼が活躍するかどうかが一番大きい。ソフトバンク打線は吉田正クラスが5人くらいいるんだから。昔、楽天にいたA・J(アンドリュー・ジョーンズ)も率は高くなくても怖さから四球、出塁率がすごかった。存在感が信頼感になる。僕らも現役のころはイチローのところに回せば、というのがあったからね。核があれば相乗効果になる。

 ――オリックスは若手が台頭というより矢面に立ってしまう傾向がある

 藤井氏「ここで打たなきゃ二軍落ちだ…」みたいに思って余裕がないよね。外野フライ、内野ゴロでいい場面でも経験と技術がないから結果が出せない。失敗を恐れて実際に失敗して二軍に落ちてしまうと、次に使われる時にゆとりがなくなってしまうんだよね。ベテラン、中堅がしっかりし、若手が勝負しやすい環境を作らないといけないね。

 ――若手時代に指導したT―岡田も15年目。もう一花咲かせてほしい

 藤井氏 18年はケガが多かったし、技術的なところも直してほしいところが直らなかった。いい時のイメージを持っていても悪いクセというのがしみついている部分もある。17年に31本塁打しているのにどうしても早くに重心がカカトに乗ってしまって、外のボールが見えなくなっていた。

 ――左の長距離砲という点で昔の自分と重なる部分も

 藤井氏 あるね。彼は若いころに僕のやり方についてきてくれた選手だし、まだまだ飛ばす力はある。32歳だし、僕がそのころはまだ普通にできてたよ。オフにプエルトリコのウインターリーグに参加したのも何か変えようとしてのことだろうし、試合に出て気付くものがあったと思う。

 ――カギを握るのはジョーンズとT―岡田

 藤井氏 打つ人がしっかり打てば若手が飛躍でき、それで上がってくる。打線がプラス100得点。戦力的にはまだまだ厳しいかもしれないけど、イレギュラーで思った以上に頑張れる人が出てくれば乗っかれる。

 ――チームへゲキを飛ばすなら

 藤井氏 ソフトバンクは勝つことが当たり前のチームになっているけど、オリックスはまだ成長していく過程。その中で勝って喜びを知るしかない。先制されると窮屈な試合展開になる。今は投手力で勝とうとするから何とか先制して逃げ切ろうという試合になっているんだけど、そうじゃなくて打って勝つようにできればチーム力は上がる。毎日試合に出る野手が頑張らないといけないよ。

 ふじい・やすお 1962年7月7日、広島県福山市出身。泉州高(現近大泉州)から社会人・プリンスホテルを経て、86年のドラフト4位で阪急に入団。長距離砲としてブルーサンダー打線の一角を担った。オリックスでも95年、96年の連覇に貢献。勝負強い打撃が持ち味で、通算満塁本塁打(14本)は歴代3位。代打満塁本塁打(4本)では日本記録を持つ。2002年に引退後はオリックス二軍打撃コーチ、11年からソフトバンクで一軍打撃コーチを務め、18年にオリックスに一軍打撃コーチとして復帰。今年から総合建設業「共栄組」に籍を置き、JSPORTSの解説、関西創価、神戸中央リトルシニアで指導している。