ソフトバンク工藤監督 好投を確信した和田の「短くて速い音」

2020年07月04日 20時11分

今季初勝利の和田毅

 ソフトバンク・和田毅投手(39)が8回途中3失点の好投で今季初勝利を手にした。

 序盤から威力、制球力ともに抜群の直球で押して主導権を握ると、回を追うごとに変化球も効果的に決まり、日本ハム打線を翻弄。

 2試合連続で先発マスクをかぶった高谷の好リードにも支えられ、7回先頭の近藤に右前打を許すまで無安打に抑える圧巻の投球だった。

 すべてのイニングの先頭の初球でストライクを奪い、7回終了時点の球数は79。テンポのいい投球が、打線の2桁13安打の大量8得点を引き出す形にもつながった。

 8回に左足のふくらはぎがつった影響で、球威が落ち連打を浴びて降板となったが、全盛期をほうふつとさせるパフォーマンスだった。

 そんな左腕のこの日の好投を確信していたのが誰あろう工藤監督だ。通算224勝左腕の指揮官が、和田の調子のバロメーターとしてしているのが「音」だ。

「見ているところは1か所だけ。左足の『蹴り足の強さ』。それがある時はいいボールを投げている。その音を聞いていて、それで調子が分かる。『短くて速い音』の時はいい時。ボールの出どころの見にくさ、タイミングの取りにくさ、コントロールとかすべてがうまくいく」

 無観客試合ゆえに、球場中によく通った「短くて速い」地面を力強く蹴る音。試合後、指揮官は報道陣に「皆さん、聞こえましたか」と逆質問。ニヤリと笑い「あの音なんですよ」と大きくうなずいた。

 それでも志の高いベテランの自己評価は低め。「50点です。中継ぎのことを考えたら、8回を抑えないといけなかった。結局(自分の降板後に投入されたリリーフは)4人ですか…。すごく反省してます」と和田の口からは厳しい言葉が並んだ。ただ完璧主義の男が自らに下した辛口評価は、完全復活に近づいた証しに違いない。

 開幕から波に乗れず、閉塞感に包まれていたチームは、前日の王球団会長の電撃訪問の効果もあって連勝。今カード6連戦の対戦成績を3勝1敗1分けとして早くも勝ち越しを決めた。

「(会長に)幸運の神様を連れてきていただけた」と工藤監督もにんまり。

 常勝軍団には似合わない「借金」の完済まであと1つ。鷹の反攻態勢が整ってきた。