広島・大瀬良がまさかのKO降板で今季初黒星を喫した。本拠地初戦のマウンドを託された右腕だったが、初回、二死二塁からマルテに直球を左翼席に運ばれてあっさり先制されると2回にも近本の犠飛で失点。「思うように自分のボールを操れなかった」と制球がままならずに苦しいマウンドとなった。

 痛恨だったのが4回だ。無死二、三塁の窮地から連続三振で盛り返したが、最後は近本に決定的な2点適時打を右前に運ばれた。佐々岡監督は「もうひと踏ん張りしてくれたら、まだ投げられたかもしれないが…」とこの回限りでの交代を決断。1984年の北別府学氏以来の快挙となる開幕からの3試合連続完投勝利は幻となった。

 2戦連続完投の反動やスライド登板の難しさが影響した可能性もあったが、大瀬良本人は「そこを言い訳にするのは簡単だが、いろいろ考えて準備をした。影響があったとは思わない」とキッパリ否定。さらに「野手も中継ぎの投手もギリギリのところで戦って僕よりもしんどい。修正し切れなかった自分がまだまだということ。この悔しさを次に活かしたい」と前を向いた。

 火が付いた阪神打線に対して中継ぎ陣も踏ん張れなかった。鈴木誠の猛打賞となる活躍などで一時は2点差に詰め寄ったが、今村、中村恭、中崎が計4失点を喫し試合を決められ、指揮官は「ビハインドでも抑えてくれればリズムが来ると思ったが…」と頭を抱えた。3連敗で借金生活となった広島。窮状を脱するためにも、まずは本拠地で勝利を挙げたいところだ。