最下位・阪神のジレンマ 急造外野陣を悩ます「薄暮問題」

2020年06月29日 06時15分

守備に不安を残すサンズ

 問題山積みだ。阪神は開幕3カードを終えて2勝7敗の借金5と最下位に沈んだまま。最大の要因は得点能力不足だ。チーム打率2割4厘と総得点19はともに12球団ワースト。打力が上向かない限り、上がり目も望めそうにない。

 数少ない前向きな要素は守備力の向上だ。昨季は12球団最多の102失策を記録したが、今季はここまで9試合を消化しわずか1失策。昨オフから取り組んできた地道な努力が実を結びつつあるようだ。だが、打力不足に悩む矢野阪神は守備力に不安のある新外国人のサンズ、昨季まで主に三塁を守ってきた大山ら長打が期待できる選手たちを今後とも外野で優先的に起用することが濃厚。そうなると阪神ではこの時期特有の課題に直面する。「薄暮問題」だ。

 日照時間も長くなる初夏は梅雨空も相まって、ナイター開始直後の午後6時から午後7時前後は空が白みやすい。白い空に溶け込む白球は慣れた外野手にとってすら悩みの種で、空高く上がった外野フライを見失うシーンもままみられる。外野守備に不安を残すサンズと大山にとっては、なおさら大きな心配を残す。

 筒井外野守備走塁コーチも「(薄暮は)当然想定しなければならないケース。同様の時間帯に外野手たちにノックを受けさせるなどしてきた」と新型コロナウイルスの影響で活動自粛に突入する直前の3月に本紙の取材に答えていた。

 次カードはナゴヤドームでの中日戦だが、7月3日からの広島戦(マツダ)を経て、5カード連続で戦いの場は本拠地・甲子園となる。得点力不足解消のために、せっかく向上してきた守備力を犠牲にせざるを得ないのか。18戦連続となる屋外球場での戦いを前に、低迷する猛虎のジレンマは続く。