首脳陣から課されていた〝獅子封じミッション〟に完璧に応えた。ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・津森宥紀投手(22)が、24日の西武戦(メットライフ)で12球団ルーキー一番乗りとなるプロ初勝利を飾った。

 右サイドハンドの肝っ玉男だ。実は開幕前、森山投手コーチが起用プランとして口にしていたのが、西武打線の右打者トリオへの〝刺客〟としての役割だった。

「右打者。特に西武の山川、中村、外崎といった中軸のところに当てたい。荒れ玉で力のある横からのボール。インサイドを使って恐怖心を与えるような投球をしていってほしい」

 まさに、この青写真通りの投球だった。2点ビハインドの5回に登板すると、堂々の投球を見せた。先頭は4番・山川。内を攻めた結果、ユニホームにかする死球で歩かせたものの動揺はなかった。津森自身も西武打線へのイメージはできていた。「自分の持ち味の強気でいかないといけない」。続く外崎、中村を中飛で打ち取ると、栗山は147キロ直球で空振り三振を奪った。

 強力な西武打線に先発の石川が6失点KOをくらって苦しい試合展開となっていた。そんな中で1回1/3を無失点に抑えて相手の勢いを止めた。6回に味方打線が逆転して白星が転がり込んだ。

 これでチームの連敗も3でストップした。津森は「こんなに早く白星が自分につくとは思ってなかった。うれしいです。(ウイニングボールは)実家に送ったら親が喜んでくれると思う。報告して実家に送りたいと思います」と笑顔を浮かべた。