「ポスト坂本」の1番手となれるか――。巨人のプロ3年目・北村拓己内野手(24)が23日の広島戦(東京ドーム)でK・ジョンソンからセンターオーバーの勝ち越し適時二塁打を放ち3―2での開幕4連勝に貢献した。21日の阪神戦でプロ初安打、初打点をマークしたばかりの若武者が連日の大活躍だが、その裏にはキャプテン坂本勇人内野手(31)からの金言があった。

 5年連続で負け越している天敵・広島との初戦。その試合前には21日の阪神戦で死球を受けた小林が左腕骨折で登録抹消となり、嫌なムードが漂った。

 垂れ込めてきた暗雲を振り払ったのが期待の若武者だった。昨年5月以来のスタメンで「1番・二塁」に抜てきされた北村は、同点で迎えた5回二死一塁でジョンソンの144キロ直球をセンターへ。中堅・西川の頭を越える勝ち越し適時二塁打となった。

 これで気落ちしたのか、左腕は坂本、丸、岡本に3者連続四球で押し出し。ジョンソンの攻略に成功した。原監督も「ああいう場面でね、安打、長打が出るというのはね、いいものを持っていますよ」と目を細めた。

 その北村が大切にしているのが師匠・坂本の金言だ。自主トレで2年連続師事しており、そこで言われたのが「バックスクリーンに放り込むスイングを練習でも常にやることが大事」との言葉だという。

「僕みたいなタイプがちょこちょこやっていても魅力がない。豪快に振って当たったら飛んでいくという魅力を伸ばしていくために、バックスクリーンに放り込むのを常に意識しろと言われました。大事にしています」(北村)

 坂本も自ら実践してきた練習方法で長年続けた結果、昨季40本塁打をマークするまで飛距離がアップした。

 もっとも売りは豪快なスイングだけではない。選球眼も非凡で昨季のイースタン・リーグでは70四球を選び出塁率は4割1分4厘でトップ。この日の第4打席でもしっかりと四球を選び首脳陣にアピールした。

 星稜高(石川)から亜大に進んだ北村は松井秀喜氏の後輩。新人で迎えた18年春季キャンプでは臨時コーチだった松井氏から「チャンスは絶対にある」と直接、声をかけられている。

 この日は憧れの坂本が2番に座った。試合前にはジョンソン対策を2人で話し合い「内容は秘密です。これからもあるので」と笑った北村が「ポスト坂本」の最右翼となれるかどうかは今後の活躍次第だ。