巨人・原辰徳監督(61)のリクエストが今季初めて不発に終わった。23日の広島戦(東京ドーム)。3―2と1点リードで迎えた9回、二死一塁の場面で、捕手炭谷がワンバウンドを前へはじくと、代走の一走・上本はすかさず二塁を狙った。アウトならばその瞬間、ゲームセット。際どいタイミングとなったが、判定はセーフだった。

 原監督はすかさずベンチから出ると、両手で大きく「四角」を作るジェスチャーでリクエストを要求した。

 判定中、バックスクリーンには、捕球した二塁手・北村のグラブが上本の左手のベースタッチを防いでいるように見える映像が、あらゆる角度から流れたが、判定は覆らずに「セーフ」。

 微妙なプレーではあったが、映像によって当初の裁定を覆すに足る確証が得られないものに関しては当初の裁定を採用するのが“原則”。当然、巨人ベンチからは「えーっ!」の声も上がったが、二死二塁で試合は再開されると、一打同点のピンチも守護神・デラロサが後続を断って無事に勝利した。

 開幕4連勝に試合後の原監督の口も滑らかだったが、やはり悔しかったのか「俺、アウトに見えたけどね、最後ね…ま、グジグジ言わないけど」と苦笑い。まさかの不発に悔しそうだった。