2年連続パ・リーグ最多得点を誇る強打の西武が貧打にあえいでいる。

 日本ハムとの開幕3連戦(メットライフ)に1勝2敗と負け越し。開幕前の課題だった先発陣が3試合連続クオリティースタート(6回以上を自責点3以内)ながら、自慢の強力打線がつながらずチーム打率2割1分1厘、6得点と不完全燃焼。辻政権になってしばし忘れていた球界の格言「打線は水モノ」を実感している。

 もちろん、まだ開幕して3試合。昨年、ソフトバンク相手に開幕3連敗スタートを切りながら逆転Vを果たした事実を考えれば巻き返しは十分可能だろう。

 しかし、その一方で心配な面もある。大リーグ・レッズへ移籍した秋山の代役として期待されていた新切り込み隊長コーリー・スパンジェンバーグ外野手(29)が14打数1安打(打率7分1厘)8三振と大ブレーキだったことだ。2番・源田(12打数1安打=同8分3厘)のスロースタートも重なり、2人でわずか2得点と上位打線がチャンスをつくり出せなかった。

 西武OBで本紙評論家の大友進氏は「練習試合(34打数17安打=打率5割。4本塁打)であれだけ打てばマークされるのは当然。相手もそう簡単には打たせてくれない。おまけに3か月遅れの開幕で相手ベンチの継投も早い。(外角変化球勝負を意識させられた)混乱の中で次から次へと初見の投手と対戦せざるを得ない状況は新外国人にとっては酷。次のソフトバンク戦の初戦がまた左投手(ムーア)ということを考えても一度打順を下げた方がいい」と組み替えを提案している。

 そして、スパンジーに代わる1番候補は辻監督の構想にはない外崎だ。 大友氏は「5番に座っていても塁が埋まらない現状では一発もある外崎を上位に持ってくるのも手。残りは117試合。時間はあるようでない。工夫は早いうちに。打者の復調を待っていては上位との差は開いてしまう」とも6月開幕の異例のシーズンに対する向き合い方に警鐘を鳴らす。

 まずは23日からのソフトバンク戦に最悪の6連敗をしないための手を打つことを提案している。