G打線好調の裏に打者版ストラックアウト

2020年06月22日 16時30分

試合前の打撃練習で外野スタンドに打ち込むGナイン

 昨季セ・リーグ王者の巨人が、阪神を相手に開幕3連勝を飾った。お得意さま相手に投打で地力の違いを見せつけた格好だが、2試合連続の大量得点をマークした活発な打線も見逃せない。試合前には無観客開催の東京ドームを逆手に取った壮大な打者版の“ストラックアウト”も好調の一因となっているようで…。

 まずは順調な滑り出しだ。阪神には2012年から実に8年連続で勝ち越し。開幕カードで阪神に3連勝を収めるのは球団史上初となり、原辰徳監督(61)は「思ってもいない結果ですね」と驚きの表情を浮かべたが、取りこぼさなかったことにこそ大きな意味があるだろう。

 先発した菅野、田口、サンチェスの3人に白星がつき、登板した8人のリリーフ陣も全員無失点。さらに打線も活発だ。3戦目は主砲・岡本が今季1号を含む3安打2打点と活躍すれば、新外国人のパーラは開幕前の不振を吹き飛ばす2試合連続アーチ。新型コロナに感染した坂本もすでに猛打賞を記録、成長株の北村にもプロ初安打初打点が飛び出すなど勢いが止まらない。

 そんなイケイケ状態のG打線は、無観客試合を逆手に取った形の意外な“遊び”がある。球団スタッフが「あれを何枚倒せるか、選手たちがちょっとした楽しみにしているようです」と明かしたのが、外野スタンドの全席に置かれた特製パネルだ。オレンジと黒を組み合わせ、試合中はファンに「WITH FANS」とのメッセージを送っているが、試合前の練習ではさながら打者版のストラックアウトと化している。

 パネルは写真立てのような形状になっていて、打球が着弾すれば倒れ、バウンドする方向によっては一気に複数個が崩れ落ちる。練習ではバックスクリーン左の最深部にぶち込んだ岡本は横並びに“5枚抜き”を達成し、右翼席最前列に打ち込んだ亀井の打球は大きくハネて3列後方のパネルもなぎ倒す場面もあった。練習開始時にはプレーボール時と同様にきれいな文字が浮かび上がっているが、ホームの巨人側の練習後には約100個がなぎ倒され、すっかりハチの巣状態に…。それだけ、柵越えが打ち込まれた証しだ。

 阪神の練習も終わると15人ほどの球場スタッフが試合開始までに1個ずつ整頓したが、こうした無観客ならではの環境も打線の活力になっているようだ。23日からは再び本拠地で広島を迎撃する。原監督は「また新たな気持ちで3連戦を迎えたい」と気を引き締めたが、このままの勢いでスタートダッシュを決められるか。