広島・佐々岡監督 選手を感動させたマル秘マッサージ店通い

2020年06月20日 13時00分

監督初勝利のウイニングボールを持つ佐々岡監督(左)とホームランボールを持つ大瀬良

 鯉の新指揮官が上々の滑り出しだ。広島は開幕戦となった19日のDeNA戦(横浜)に5―1で快勝した。今季からタクトを振る佐々岡真司監督(52)が就任以来、重要視してきたのが「一体感」。練習で投手と野手に合同でベースランニングをさせるなど、あの手この手で現場の結束力の強化を図ってきた。常に“選手ファースト”なのも佐々岡流で、春季キャンプ中に取ったグラウンド外でのある行動はチーム内で絶賛されている。

 ウイニングボールを手渡された新指揮官は「選手にはカープの野球をしようと話し、信じて送り出した。(自分が)選手のときも初勝利は横浜。うれしさはある」と試合中に着けていた“赤マスク”を外し、目尻を下げた。

 就任以来「一体感」を重要視してきたが、新型コロナ禍によって4月上旬から全体練習は中止。チームが分離練習となった期間には満足に選手と接することもできず「自分が監督なのか分からなくなってくる」と吐露することもあった。

 それでもナインが一体感を失わなかったのは、宮崎・日南市での春季キャンプ中に取った指揮官の“隠密行動”があったからだ。キャンプの練習ではブルペンが主戦場だった投手コーチ時代と違って、より多くの選手に目を光らせるためメイングラウンドやサブグラウンド、ブルペンと縦横無尽に動き回る必要がある。巨漢の佐々岡監督には身体的にもハードで、周囲にはトレーナーからのケアを勧められた。

 しかし「トレーナーの治療は選手優先だから」と固辞。選手のコンディション維持に少しでも貢献しようと、自身は日南市内にある1時間2980円と超リーズナブルなマッサージ店に人知れず通い、地元客と同じように施術を受けて体をメンテナンスしていたという。新型コロナウイルスの感染拡大前の2月上旬だからできたことではあるが、そうした指揮官の献身的な“選手ファースト”の姿勢はナインにも伝わるところとなり「佐々岡監督のために!」との思いで一致団結していた。

 昨年12月に開幕投手に指名され「早くに言ってもらえてありがたい」と意気に感じていた大瀬良大地投手(29)は2年連続の大役に1失点完投勝利の満点回答。打ってもプロ初本塁打となる2ランを含む2安打3打点の活躍で「これからが始まり。これをずっと続けていって監督に優勝、日本一をプレゼントしたい」と指揮官への恩返しを誓った。

「いいスタートを切れたと思う。こういう集中した野球を今後も続けていきたい」と佐々岡監督。先発、抑えにとフル回転した現役時代と同様に、今後もチームのために身を粉にしてV奪還を目指す。