9年ぶりのリーグ優勝を狙う中日が“抑え問題”に直面している。

 昨季はチームの打率と守備率はともにリーグ1位で、防御率もリーグ3位と健闘しながら、7年連続Bクラスの5位に沈んだ。その要因の一つとしてシーズンを通して抑えを固定できなかったことがある。昨季の前半は鈴木博が守護神を務めたが安定感を欠き、中盤はR・マルティネス、終盤は岡田など取っ換え引っ換えとなった。

 昨季の轍を踏まないように与田監督は今季は開幕から岡田に託す方針でいるが、早くも危惧する声がチーム内外からささやかれている。岡田は6月の練習試合で7試合に登板したものの3試合で失点し、セーブに2回も失敗。特に7日の西武戦(メットライフ)では5失点、13日のDeNA戦(ナゴヤドーム)では3失点するなど不安定さを露呈した。

 この現状にチーム関係者は「いくら練習試合とはいえ、これだけ結果の出ていない岡田にこだわるのは危険すぎるのでは。抑えには150キロ台の直球とか、決め球となる変化球とか、絶対の制球力とか、何か持ってないと厳しいと思う。また去年のようにリードしていても終盤にひっくり返されるようなゲームだけはしてほしくない」と不安視している。

 練習試合で5試合に登板し、計5回1失点で防御率1・80と好投した藤嶋が18日に発表された開幕一軍メンバーから漏れたことに、中日OBも「思い切って藤嶋を抑えに抜てきしても面白いと思っていたのに、どうして一軍から外してしまったのか…。何か理由があるのかもしれないけど、それなら岡田よりもR・マルティネスの方が抑えに向いていると思う」と指摘する声もある。

 今季もチームの弱点が“抑え問題”とならないように、早く勝利の方程式を確立したいところだが…。