ソフトバンク長谷川勇也 完全復活へ

2020年06月13日 20時06分

4回、三塁打を放った長谷川勇也

 ソフトバンクの長谷川勇也外野手(35)が13日、広島との練習試合(ペイペイドーム)に本職の「左翼」で3試合連続の先発出場。2打席目に三塁打を放つなど存在感を見せた。

 ここ数年は2度の手術歴がある右足首の影響で出場機会が減っていたが、今年は5年ぶりとなる開幕スタメンが決定的。前日(12日)の試合のように「4番」や中軸で重責を担う機会が増えそうだ。

 古傷のコンディションは良好で、“練習したくてもできない”ストレスは緩和された。そのため代名詞の「練習の虫」が戻ってきた。今年1月のファーム施設での自主トレ期間、周囲の選手がトレーニングシューズを履く中、一人スパイクを履いてダッシュを繰り返す姿があった。

 試合前のフリー打撃での一撃必殺の鋭いスイングは、柳田をもしのぐキレ味を誇る。ベースランニングやスライディングなど走塁面の問題もなく、守備での1歩目の反応も良く、フェンス際、ファウルゾーンへの飛球も難なくこなしている。

 代打の秘密兵器となって以降、首脳陣は「長谷川の場合は、3試合続けて頭から守れるか。そこだけ」とレギュラー奪取の条件を明確に示してきた。新型コロナウイルスの影響による入国制限で、キューバ帰国中のデスパイネ、グラシアルに合流のメドが立たず、2人は来日後も実戦不足解消に時間を要するとチーム内ではみられている。外的要因も含め、今季の出番増は必然的だ。

 開幕まで1週間を切ったこの日、制限を解かれる“3連勤”。4回の第2打席、右中間を破ると、外野が処理にもたつく間に勢いよく右足から三塁へ滑り込んだ。2013年に198安打を放ち、最多安打と首位打者のタイトルを獲得した天才が、逆襲への確かな一歩を踏んだ。

 鯉の開幕投手・大瀬良を攻略し決勝打を放った前日の試合後、鷹の侍は珍しく満面の笑みを浮かべて言った。「今年、36になるんですけど、この年齢になって、しっかり試合で使ってもらっているという、そこは意気に感じている。試合に出るのが当たり前じゃないことなんで。競争もあるし、このベテランにスタメンを任せてくれているというところに感謝しながらやろうと思っています」

 昨オフ、減俸を冷静に受け入れて契約を更改した際「いろんなところにガタはくるけど、バットだけはさびるどころか鋭さを増してきている」と技術屋のプライドをのぞかせた35歳。復権の「序章」が始まった。