頭部死球もすぐに立ち上がった松田宣の熱イイ話

2020年06月13日 16時30分

2日のオリックス戦で死球を受けた松田宣

 頭部死球の影響を全く感じさせないハッスルぶりだ。2日のオリックスとの練習試合で左側頭部付近に死球を受けたソフトバンク・松田宣浩内野手(37)だが「振れなくなったら野手はダメ。生きている以上、よけずに行く」と恐怖心を断ち切り、2試合の欠場を経て戦線に戻っている。

 144キロの真っすぐが頭部に直撃し、倒れ込んだ松田宣は、大声で「大丈夫!」と発してすぐに立ち上がった。「かすったように見えたけど、がっつり当たっていた」。それでも誰からの補助も受けることなくベンチへ戻ると翌日、病院で受けたCT検査は異常なし。「両親に感謝」という頑丈ぶりを証明した。

 箇所が頭部だっただけに安静な処置が正しかったのかもしれない。そのことは本人も十分に理解している。だが、とっさに体が動いたのだという。なぜか。その真意を知るチーム関係者は明かす。「相手投手への思いやりがあったから。マッチらしい振る舞いだった」

 頭部への危険球退場は、当てた側の投手も心理的ダメージが大きい。場合によっては制球難に陥り、その後の野球人生に影響を及ぼすこともある。松田宣の何事もなかったかのような振る舞いに、プロ通算わずか3試合の登板しかない高卒6年目のオリックス・鈴木優投手(23)は、救われたことだろう。

 グラウンドに情けはいらない。ゆえに賛否両論あることも分かっている。腫れ上がった患部を隠しながら「何も問題がなかったからそうしただけ」。それ以上語らないところが、また熱男らしい。