広島が独自でコロナ対策を講じる。4日に甲子園球場で取材に応じた鈴木清明球団本部長は「今後NPBの仕組みができればそれに乗っていくが、開幕前にPCR検査をやる方向で考えている」と一、二軍の選手、スタッフを対象に検査の実施を検討していることを明かした。シーズン中も継続する方針で「定期的にやらないと意味がない。2週間に一度がいいのか、1か月なのか。10人ずつやるのかなど、やり方についていろいろ検討している」と遠征帰りなどに実施したい考えだ。

 巨人が踏み切った独自の抗体検査に関しては他球団から不満の声も上がっている。だが、シーズン中は長距離の遠征を強いられる赤ヘルナインにとっては大賛成だ。あるチーム関係者は「選手たちも検査をやってほしいという思いを持っていたはず。うちは長距離移動が多いので感染リスクも高く選手自身もそうだし、その家族も心配を抱えないといけなくなる。それが検査によって解消できるのはありがたい」と現場の思いを代弁する。

 無症状であっても「自分が感染していて家族やチームメートにうつしてしまうかも…」という疑いを抱えながらでは本来のパフォーマンスを発揮するのも無理というもの。しかし、検査で陰性であることが分かれば、心おきなくプレーに集中できる。

 2日からの関西遠征でも一日に4回の検温や外出禁止、横並びでの食事など対策を徹底している広島。シーズンの滞りのない実施と現場の安心安全のためにあの手この手を尽くしていく。