巨人主力選手のコロナ陽性判定を受けて、他球団選手の動揺は大きかった。ある球団のベテラン選手は「今回の一件は衝撃が大きい。また(開幕に向けた動きが)ストップしてしまうかもしれない」と、ショックを隠せない様子だった。その上で「また延期となるのは正直、勘弁してほしい。3月の延期以降、大変な調整を強いられてきた身としては、このまま(6月19日に)開幕してほしいという願望が強い」と、プレーヤー目線で本音をのぞかせた。

 その一方で、冷静な受け止め方もあった。あるパ球団のフロント関係者は、今回の一件を「想定の範囲内」と語った。その理由については、巨人の抗体検査は米FDA(食品医薬品局)から高い性能評価を受けた検査薬が使用されており「高精度の検査キットを使用すれば、ある程度『陽性』の疑いがある者は出てくるとの認識があった。だから、巨人が抗体検査実施を決めた時点で想定はできていた」と話した。

 陽性者が大物選手ということで世間の反応は大きくなったが、専門家とのやりとりを継続している球界関係者間では「やっぱり出たか」という受け止め方でもあった。

 気になる「6・19開幕」への影響についても、NPBの井原敦事務局長は感染から回復し、時間がたっているとする専門家の見解などを踏まえ「このような内容なら影響はないと現時点では考えている」と述べた。前出の関係者も「(微陽性という)検査結果も含めてだが、想定の範囲内ということもあり、大勢に影響はないと思う」との認識を示している。