巨人の坂本と大城に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを受け、中日内にも激震が走っている。

 3日は神宮球場でヤクルトとの練習試合に臨んだ中日は5―3で勝利したが、試合前から巨人ナインに感染者が出たらしいとの情報をキャッチし、グラウンド外でチーム関係者は顔面蒼白となった。

 感染者の発症2日前からマスクなしに1メートル以内で15分以上会話すると「濃厚接触者」と定義されるが、中日関係者は「(感染者の)マスクなしのランニングは10メートルも離れないと危ないと言われている。走者が二塁に滑り込んだときに野手と接触した場合、短時間だけど濃厚接触になるのかどうか」と懸念する。

 その上で試合中、ボールからの感染も危惧。現時点では“グレー”のようで「ボールを(選手らは)みんな触っているからね。最終的な濃厚接触者を判断する保健所がボールもアウトとするケースもひょっとしたら出てくるかもしれないと言っている。それだと全員アウト。もし、そうなってしまったら(開幕していても)ペナントレースをやめないといけなくなる」と頭を抱える。

 巨人は一軍の選手、監督、コーチ、スタッフの全員がPCR検査を受けることを決定したが、新型コロナのサイレントキャリア(無症状感染者)の怖さも強調。球団内では「全然何ともないけど、ウイルスを持っていて、そういう人はPCR検査で陽性が出るから、隔離しないといけない。ひょっとしてプロ野球選手は体が丈夫だから発症しないということで、ウイルスを持っている人がチームに5人も6人もいたら、その人たちプラス濃厚接触者も隔離しないといけない。そんなことになればもうアウト。19日に開幕はできないと思う」との声も漏れている。

 感染経路不明なのか説明のない巨人の発表を受けて、中日・加藤球団代表は「今でも感染対策は徹底しており、東京に来る前にも選手やスタッフなどにはお願いしていた。巨人の2人については、なぜそうなったのかは知りたいところではある。感染に注意しながらこういうことになっているのなら、中日も含め他球団もいつどこで感染してもおかしくない状況になっていると思う。今でも十分気を引き締めているが、それを継続していくしかない。感染のリスクはどこにでも潜んでいるというのは改めて感じた」とコメント。巨人だけでなく、中日も含めた球界全体に新型コロナの脅威は終息するどころか、増すばかりとなっている。