元横浜・岡本直也氏 コロナ禍でもピンチをチャンスに

2020年06月03日 11時00分

六本木で「焼肉ビーフマン」を経営する岡本氏

【コロナ危機を乗り越える プロ野球界にまつわる飲食店の現状(5)】ピンチをチャンスに変える。東京・六本木で人気店「焼肉ビーフマン」のオーナーを務めるプロ野球OB・岡本直也氏(36=元横浜、ヤクルト)は自らにそう言い聞かせ、奮闘する日々を過ごす。

 新型コロナウイルスの影響が飲食業界を直撃する中、同店も営業スタイルの見直しを迫られた。3月末からディナータイムを休止して以降、現在はランチ営業とテークアウトメニューの販売のみ。緊急事態宣言が全面解除となり、東京都も飲食店への自粛緩和を始めているが、もともと予定していた店内のリニューアル工事を行うため通常営業に戻すのは7月末となる見込みという。それでも岡本氏は持ち前のポジティブな発想とともに明るい表情を崩そうとはしない。

「今まで通りではないので、そこは正直何とも言えないのですが…。逆にお弁当のデリバリーが増えて、おかげさまでたくさんの注文をいただいています。もともとウチはデリバリーにも力を入れていましたので、それが幸いしたところもありましたね。いろいろなことに手を出してやっておかないと経営が傾いた時に困ってしまうと考えていましたので」

 2013年3月に同店をオープン。神戸牛の生産で全国的にも有名な「川岸牧場」から独自のルートを使って新鮮な肉を仕入れていることが評判となり、たちまち人気を呼ぶようになった。多くのリピーターとともにプロ野球界はもちろん芸能界にも常連客が増え、あっという間に軌道に乗った。しかし岡本氏はおごることなくリスクマネジメントを講じ、15年ごろから当時まだメジャーではなかった宅配専門業者と業界に先駆けて契約を締結。弁当販売の新規開拓業務にも早くからチャレンジし、これが結果的に功を奏する格好となった。

「これ(デリバリー)がなかったら、正直潰れていたかもしれません。以前からのノウハウがあったのでデリバリーやテークアウトの売り上げは150%ぐらいにまで上がりましたが、やっぱり危機は危機ですよね。従業員を何とか養えていくことができてはいますが、最低限でやっていけるというだけですから。ただ自分ではこういうご時世になって、ある意味でチャンスだと捉えています。ウチのような小さい店だからこそ勝負をかけられる。リニューアルもその考えからです」

 最後に開幕が6月19日に決まったプロ野球界についても「これだけ遅れているのに心が折れない選手たちはすごいです。早く開幕して街を明るくしてほしいと思います」。OBとして力強い言葉で締めくくった。