オリックス・ディクソン “狩人”が表情を緩ませた晴れ舞台

2020年05月30日 16時30分

ブランドン・ディクソン

【取材のウラ側 現場ノート】今季で来日8年目になるオリックスの助っ人右腕ブランドン・ディクソン投手(35)は不思議な魅力を持つ選手だ。いつでも冷静で、洞察力にも優れている。オリックス担当をしていた何年か前に、こんなやりとりをしたことがあった。

「奈良公園が好きで、この間行った。鹿にエサをあげたよ」。そう切り出したディクソンは、すぐにリアクションを取らなかった私にこう言ってきた。「奈良公園の鹿は狩ろうと思って見てないからね」

 まるで心の中を見透かされたかと思った。答えに詰まっていたのは、ディクソンの趣味がハンティングだと知っていて、鹿を獲物として品定めでもしていたのかと勘違いしていたからだ。

 あまり喜怒哀楽も表に出さない。担当を外れ、取材が年に数回となってもその印象は変わらなかった。だが、昨年のプレミア12に米国代表として出場していた際のディクソンと話した時にそれが少しだけ変わった。

 代表に初選出された右腕は明らかに幸せそうで声も弾んでいた。日本戦を前に自ら「数日前に代表メンバーと、自分で釣った魚を食べるレストランに行ったんだ」とうれしそうに話し始めた。

 米国代表は同大会のスーパーラウンドで日本に4―3で競り勝つなど健闘したが、最終的には3位決定戦でメキシコに敗れて4位に終わった。それでもディクソンは代表での経験を「良かった。すごく楽しかった」と振り返り、1年後に延期された東京五輪にも「できれば出たい。予選を勝ち上がらないといけないけど」と意気込んでいる。ぜひ、晴れの舞台で守護神を務めるディクソンの雄姿を見てみたい。