阪神で復活!? 「おニャン子サイン」で新型コロナ感染防止

2020年05月26日 16時30分

日本ハムでは三塁コーチを務めた清水ヘッド

 6月19日の開幕が正式決定し各球団、当初の開幕だった3月時点のモノから、修正や変更を迫られているのが攻撃時のブロックサインだ。NPB作成のコロナ感染拡大防止のガイドラインにも飛沫感染防止を意図した「顔に触れるサイン伝達の禁止」も盛り込まれたもようで、開幕後も現場は感染防止への取り組みに努めなければならないためだ。

 そんな中、猛虎でサイン開発に大きな力を発揮しそうなのが清水ヘッドコーチだ。現在は矢野燿大監督(51)の右腕として投打の作戦面を束ねる役割だが、それまでの西武、日本ハム、ロッテ、楽天の4球団では主に攻撃時、打者に自軍のサインを伝える三塁コーチャーが主戦場。パ・リーグでは「投手のクセを見抜かせたら右に出る者はいない」と恐れられ、同時に「敵に見抜かれにくい」サイン開発の名手としても知られている。

 そんな清水ヘッドが12年の日本ハムコーチ時代に発案の「スペシャルサイン」が再び、評価を高めつつある。コロナ禍での開幕で「(飛沫感染防止の)口に触れないブロックサインを複数パターン編み出さなければならなくなった」ためだ。

 当時を知る日本ハム関係者が「そのときのスペシャルプレーのサインがまさに今のご時世にピッタリ」と話すように、まずサインの伝え手が口周りに一切触れないのがポイント。さらに、そのサイン伝達動作が、1980年代に一世を風靡したアイドル、おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」の振り付けに酷似していたため、選手たちも“ツボ”にハマり、チーム内で大流行。有名な「♪セ~ラ~服を~脱~が~さ~ないで♪」のサビとともに「左手↓左肩、右手↓右肩、左肩の左手を左ヒザ、右肩の右手を右ヒザ」を2周するベースとなった振り付けは、発売当時を知らない若手も一発で覚えたという。

「まだ当時は若手の中田翔とか陽岱鋼とかが面白がって、やらんでいいのに、アップ前に清水コーチの前でおニャン子歌いながら『サインを出す清水さん』とか言ってモノマネして(笑い)」とチームのムードを高める“儀式”にもなり、実際の野球では試合前に「ここを触れば」の“キー”の設定を行い、触る回数や場所を試合ごとに変更し繰り返し使用したという。

 さらに関係者は「お前のところ試合中、ベンチで若いのが『おニャン子! おニャン子!』って叫んでるけどアレ何?と敵チームの先輩から不思議がられたことがあって。裏を返せばウチの野球に敵が敏感になっているって思った」と振り返る。実際に12年の日本ハムは栗山監督の就任1年目でリーグ優勝。この「おニャン子サイン」が敵に少なからず脅威を与えていたことも見逃せない。

 現在は猛虎をベンチから支え、三塁コーチャーに入る藤本コーチに作戦を伝達する立場にある清水ヘッド。サインの出し方ひとつも頭脳戦となりそうなシーズンで、知略に富んだその手腕への期待はさらに高まることになりそうだ。