プロ野球が6月19日に開幕することが決まり、巨人の開幕スタメン争いも最終段階に突入した。開幕投手は3年連続で菅野智之投手(30)が務める一方、流動的なのはその相棒だ。実績では小林誠司捕手(30)だが、3年目の大城卓三捕手(27)が初の大役に抜てきされる可能性も浮上している。

 原辰徳監督(61)は炭谷、小林、大城によるレギュラー争いを「競争」とし、開幕マスクにはまだ言及していないが、実績を重視するなら菅野―小林の“スガコバコンビ”だろう。同い年で公私ともに仲が良く、息もピッタリ。国際試合でも相性の良さは実証済みで、昨季の小林はFA加入した炭谷との競争に勝ち抜いて菅野との開幕バッテリーを実現させた。

 ただ、指揮官は小林を「守備力、あるいは信頼。そういったものは非常に大きなものを持っている」と評しているが、大城については「経験値という点では一番足りていない」としつつ、打撃と守備力の向上を認め「飛び抜けて成長できる可能性を持っている点において、大城が今年は持っている」と語っていた。

 当初の開幕前、首脳陣が直前まで可能性を模索したのが菅野と大城のコンビだった。菅野がオープン戦で登板した最後の2試合でマスクをかぶったのはいずれも大城。3月13日の楽天戦(東京ドーム)は3回無失点、同6日のオリックス戦(京セラ)は6回1失点だった。

 さらに、大城の追い風となりそうなのが、新たな開幕カードだ。巨人の開幕戦は東京ドームでの阪神戦となる見込みで、相手先発はエース右腕の西勇。右打ちの小林より、左の長距離砲・大城の起用も考えられる。

 大城にとって菅野は東海大相模高―東海大の直系の先輩。公式戦で“東海大バッテリー”を結成したのは2018年の2試合だけで、開幕マスクとなれば自身初となる。

 6・19開幕の発表を受け「チームとして動く喜びを感じながら、しっかりと調整していきます」と誓った原監督。指揮官が選ぶのは安定の“スガコバ”か、それとも――。