元広島・小林敦司氏 苦労人パティシエは新たな営業スタイルを模索中

2020年05月24日 11時00分

代官山にある「2―3 Cafe」

【コロナ危機を乗り越える プロ野球界にまつわる飲食店の現状】プロ野球OBのパティシエも苦悩する日々に直面している。東京・代官山でカフェ「2―3 Cafe」を経営する小林敦司氏だ。

 広島でセットアッパーを務めた元右腕は、2011年4月からファッショナブルなブティックや飲食店が立ち並ぶ若者中心のエリアでカフェをオープン。たちまち自家製チーズケーキが売りの人気店に成長させた。だが新型コロナウイルスの感染拡大に伴って緊急事態宣言が発令されて以降、先月8日から現在も営業自粛中。飲食店は20時までならば営業も容認されているが、もろもろの状況を考慮した末に今のところ看板メニューのケーキ類のみテークアウトでの予約注文を受け付けているという。

「この街はオフィスもそれほど多いエリアではないので、周りの衣料品店が通常通りにオープンしていないと人通りがどうしても減ってしまいますよね。そうなるとお店を開けていても1人か2人ぐらいしか来てもらえないですし、逆にテナント料や光熱費、材料費だけで出費が増えてしまう」

 今月6日の緊急事態宣言解除を期待していたものの延長となり、都は今も自粛ムードが続く。代官山にも活気が戻ってくることを願いつつ、都に感染拡大防止協力金を申請するなど経営維持に奔走し、本格的な再開に向けて準備を進めている。しかし、先々の見通しはどうしても不透明だ。

「店の中もお客さん同士の距離が近い。だから1つ、2つでも席を外しながら営業していくことを考えなければいけないと思います。これからは休みの日を増やすなど、新しいスタイルも模索していこうと考えています」

 01年の現役引退後、飛び込みでケーキ店のアルバイトから修業を始め、イタリアンレストランやカフェでも経験を積んだ。苦労を重ねてオープンにこぎ着けた自らの店ではダイニングも一人で切り盛りし、パスタや特製トマト鍋も自慢のメニューとなっている。

 現役時代に頭部死球をぶつけて激高された清原和博氏(当時巨人)が13年、民放番組の企画で同店をサプライズ訪問したこともあった。手作りケーキのあまりのおいしさに感動し、小林氏と“和解”を果たしたシーンを記憶している人も多いだろう。

「開幕が遅れているプロ野球の選手たちもモチベーション維持は大変。ウチの店も夜は野球が始まらないと(スポーツバースタイルでの)テレビ観戦ができないですから」

 最後にOBとしてプロ野球界の現状も心配そうに語った。小林氏はコロナショックからの復興を強く願っている。