【デスクと記者のナイショ話】

 デスク:現役力士が新型コロナウイルス感染で死去したニュースは、プロ野球界にとっても人ごとじゃないだろう。

 遊軍記者:正直に言うと大半の関係者たちも“寝耳に水”だったようです。折しもNPBと12球団はJリーグとの合同で11日に行われた「コロナ対策連絡会議」において3人の専門家から現時点で開幕の日付を決めるのは難しいと示されたばかり。球界内でも「まさかアスリートが亡くなってしまうとは想像もしていなかった」と衝撃が広がっていて「開幕に向けた感染対策のガイドライン作成にも大きな影響を及ぼすのは必至」との見方が強まっています。

 デスク:というと?

 遊軍記者:各球団内に感染者が出た場合の統一ルールです。阪神から藤浪ら3人の感染者が出たことが発端となって議論に拍車がかかり、今はほぼ煮詰めの段階となっているもようですが、どうやらこれによって再度練り直しとなる可能性も出てきそうです。実際に、たとえば「球団内から選手だけでなくスタッフ、現場とは関係のない社員らも含め感染者が誰か一人でも出れば、シーズンは無条件で即座に中止するという条項も作っておいたほうがいいのではないか」という意見も聞こえてきています。

 デスク:プロスポーツ開催に対し、世間からさらに厳しい目が向けられる流れを球界全体も“警戒”しているということだな。

 遊軍記者:それから持病の有無ですよね。因果関係は分かりませんが、亡くなった勝武士さんにはもともと糖尿病の持病があったそうです。以前からセの球団関係者が「もし何らかの持病があって感染リスクの高い選手は安全面も考慮し、少なくとも今季は試合に出ないほうがいいのかもしれない」と指摘していたこともありましたし、この“持病を抱える選手に関する特別措置”のようなルール制定が再燃することも十分に考えられると思います。 

 デスク:たとえ開幕が決定したとしても、球界はコロナ禍から抜け出せそうもないな…。